前回から、2ヶ月過ごしているシアトルについてレポートしています。
- シアトルの地理と思い出
- シアトルの経済
- コロナ影響
- BLM影響
今回は下記について書きたいと思います!
- コロナ・BLMを受けての人の流れ
- 日本東京都の違い
- 私が思う今後の予測
- 人の動き
- 文化
- 医療
コロナ・BLMを受けての人の流れ
ダウンタウンの中心地(Westlake Station)を歩いて見た限り、平日昼間は人がいつもの25%、土曜の日中だといつもの50%くらいですが、金曜夜だと5%に減っている感覚。
やっぱり、シティ内には道もいつもより空いているそうで、例えば空港からシティ内へのウーバー時間は普段3分の2くらいで済みました。
ショッピングモールは、もう人出が大幅に減っています。人が減ってるだけではなく、中に入っているお店もバンバン閉まってるのでショックを受けます。
私が行ったのはシアトル郊外のBellevue Squareという綺麗なモールと、これまた郊外のKitsap mall という場所でしたが、去年のクリスマス時期と比べるともう人の数は1割ほど。
お店の数も一時的に閉まっているもの+撤退した店を合わせて半分くらいが閉まっている状態でした。
小売店にとっては、サンクスギビングからクリスマス前は1番のかき入れどきでしょうから、本当に痛手です。
代わりにAmazonはもちろん好況で、クリスマスプレゼントは12月4日までに注文しないと間に合わないと忠告が出てるほどでした。
そうすると、今までは「ショッピングモール」や「オフィスの近く」が人気だったのが、今はより郊外へ出ます。
この傾向は本当に日本より強くて、顕著に数字として出てるのが、郊外の一戸建てには買い手がたくさんいるのでバンバン売れて、シティ内のマンションを売ろうとしているので在庫が多い、という状況だそう。
不動産価格もNYやSFほどではないですが少し下がっていて、2017年や2018年当時の値段で買えるものもある、という感じです。
シアトルの不動産の価格が毎年6/3%増、過去10年で1.8倍という日本では考えられない数字で上昇しているので、この数字はかなり今年限定といって良さそう。
日本・東京との違い
実はこの人の流れは、日本と大きく違うところだなと思ってます。
東京でもリモートワークが一般化したことにより郊外人気が高まり、湘南や千葉・埼玉に引っ越す人が増えたとは言いますが、
それでもやはり一部に留まってると思います。
というのも、東京都内のマンション価格も郊外のも見てますがそんなに売買価格も賃貸料も大幅に下がってないし、逆に郊外の高級住宅がバンバン売れまくり、というようにも見えません。
もちろん多少の流れはあると思うけれど、結構ここは差がある。
東京では「久しぶりに(気をつけながら)年末集まりましょう」投稿や呼びかけを少しずつ見るようになったけれども、アメリカではそれやったら本当に死人が出るんじゃないかと心配でできないです。
またシティ内のホームレスの方の増加と、それに関わる会話も、日本と大きく違うところ。
前回も書いたけれど、前にはいなかった場所にたくさんのテントが張ってある姿は、ショックです。
もしかしたらモールや飲食店の店員さんだったかもしれません。
もしかしたら私だってそちら側にいった可能性もある。そう思うと、あまり他人事と思えない。
アメリカでは結構アグレッシブなホームレスの人が一部いるから。薬物中毒なのか、大声を出して追ってきたり、怒鳴られたりすることがあります。私も今回も数回ありました。
なので、「彼らは好んでホームレスをしている」「助けなんていくらでもあるのに自分から行かないだけ」という人も多くいます。そんなわけないのに。
もしかしたら1%そういう好んで行なう人がいるかもしれませんが、ほとんどの人が複合的な原因ですが、そこへの理解よりも「怖い」の気持ちが強い人が多い、というのが私の印象です。
そういう方に(ウーバーの運転手やテイクアウトカフェの店員さんなど)出会った時には、データを見せて説明するようにしています。
1月にLAの富豪の家で考えたことを書いたブログを思い出します。
今後の予測
1.人の動きは来年の秋以降戻りそう
郊外に人が流出していく動きは、来年夏までは続く。ただ、コロナが落ち着き次第人の流れは戻ってくるのかなとは思います。
ワシントン州は
不動産に聞くと今シアトルシティ内は全米一の建設ラッシュの都市だそうです。また土地の価格上昇率は全米2位です。
この不況下でもアマゾン社がどんどんビルを建ててたり、超高層マンションがバンバン立ってたりしてるので、それも実感します。
10年前に上海によく出張してたのですが、その風景を思い出します。
また、GoogleもAmazonもFacebookも、来年8月まではオフィスクローズを発表していますが、それ以降は週何日かなどで戻らせることもあります。
前回書いたように医療に強い都市であることも、ワクチンの一般化が他の都市よりは早いのではないかという希望になります。
2.裕福とそうでない人の医療アクセスの差がさらに開く
ワシントン州、個人に対するコロナ補償は思ったよりしっかりしているようです。
もしコロナを理由にレイオフ(解雇)になっても、毎週補償されます。州のウェブサイトを見ると最高州に8万受け取れるようです。
解雇になった人もパンデミックが終わったら雇い戻されることが多いです。
労働市場の流動性が高い分、一度仕事を失ったら一生そのままではなく、取り戻そうとすればまた戻れる可能性があるというのも、アメリカの良いところではあると思います。
ただ、保険については厳しい。
正社員は保険が払われますが、そうでないと自分で保険をつけないといけない。でもこれ、国民保険がないので自分で契約せねばならず、とても高いんです。
もし保険がなかったらとにかく高い。これについてはまた別の会でアメリカの医療制度と日本の医療制度について調べてみたいと思います。
コロナで直接的な健康の影響を受けたのが、日本では高齢者ですが、アメリカでは貧困層なのも、特徴的。
国民皆保険がないからこそ「病院に行ってすぐ検査する」という習慣があまりないようです。
3. 食や音楽などのカルチャーが弱まる
これは日本でも同じですが、コロナなどのしわ寄せが行ってるのは、クラブ・飲食店など。
街の文化を作っている人たちで、彼らがいないと私は街に魅力がなくなるんじゃないかなと思ってます。
ライブハウスも3月に臨時休業したまま、そのままです。
私は20代の頃から世界中旅して色々回ってきて、最初は貧しかった街でもアートや音楽、スポーツで文化が入り人気になった/生き返ったになった街をたくさん見てきました。
有名なのはParisのマレ,Londonのショーディッチ、NYのBrooklynやSohoなどは有名かと思います。アーティストは基本平和主義な人が多いと思うからね。
シアトルにも、Capitol Hillというちょっとヒップな場所があるんだけれど、その街に文化がなくなるとどうなってしまうのかが心配。
ビジネスは街の発展に大事だけれど、それで稼いだ人たちが文化にお金を使ってエコサイクルが回る。それを見てきたからこそ、文化をなくさないように私たちが何ができるんだろうと思って日々過ごしてます
3.
以上、2回にわたるシアトルレポートでした。第1回を読んでない方はそちらもお忘れずに。
またねー!
(去年、シアトル一の観光地かつ台所である、Pike Place Marketの前で。観光客やローカルのお客さん、早く戻ってくる状況になるようにパンデミック終わらせようー!)