昨年となりますが、2011年7月23日に行われた、目黒にある杉野ドレスメーカー学院にてサマーセミナー/ショー取材時の内容をお伝えします。
(取材当時はこのBLOGを行っていなかったため、今ここでアップに至りました。)
わたしはこのショーで、涙したのです。
正確にはショーの後、岡さんと名刺交換をしているときに声が出ないほどただ涙がとまらなくなってしまいました。
正確にはショーの後、岡さんと名刺交換をしているときに声が出ないほどただ涙がとまらなくなってしまいました。
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あふれるごみ。油まみれの湾で羽ばたくことのできない鳥。
私たちは、大量消費の20世紀で本当に豊かになったのだろうか?
その後、デザイナー岡正子さんの基調講演が行われた。
岡さんは4月から杉野ドレスメーカー学院の学長も勤めている。
ファッションショーでは笑顔たっぷりのモデル達がまとう、軽やかな四季の装いが会場を魅了した。
岡さんが大切しているキーワードの「自然体」、アイロンやクリーニングのいらない持続可能な社会への思い、また女性らしい幸せな姿が織り込まれていた。
1994年にゴミ工場に行った時に洋服が捨てられているときの衝撃から、持続可能な社会を作るファッションを求めてトウモロコシの糸を作り、当時としてはまだ珍しいエコファッションを提案してきた岡さん。現在では長野と東京の往復を続けながら、ウェディングドレスメーカーとのコラボレーションなども積極的に行っている。
実は、ウェディングドレスの9割はレンタル。女性にとって人生の晴れの日にきるそのドレスを、手放すのは惜しくとも、一度着て捨ててしまうよりは新たなカタチで再生させるプロジェクトを行っている。また、白無垢を再生させてもう一度使うプロジェクトも好評だ。
岡さんはエコファッションがどれだけ参加型にできるかが一つの鍵だと言う。
エコロジーは一人で行っても解決しない。欧米型のラグジュアリーファッションには適わなくとも、日本では主婦一人一人が行える手作業だということが大切だという。
講演内容は岡さんがこのブランドを作る前までにも至った。
杉野ドレスメーカー学院を卒業後、半年間長野にいただけで「デザインセンスが落ちた」と恩師に言われたときの衝撃。
それを克服するためのコンテスト参加と賞。
カラーリストの講演の仕事で多忙を極めていたときの、お母様の「外に咲いている花の名前を知っている?」という問いかけ。
ファッション業界で何をしていきたいのかどんなデザイナーになりたいのかもわからなくなり、大失恋をした35歳のとき。
そこで彼女を救ったのは、意外にも生まれ育った長野の自然だった。
長野の自然で自分を癒し、いつしか克服していく。
そして冒頭のゴミ工場のシーンに繋がる。
だから、彼女の言葉には説得力がある。
「これからグローバル社会で日本が勝ち抜くには、オリジナリティを出すことが必要。そして、オリジナリティとは意外と身近な地元にあるかもしれない」
長野オリンピックをはじめ、愛知万博や世界中のショーを成功させてきている岡さんが、自分の失敗経験や嫌な思い出もそのままにお話ししてくださっていることから、この学院とecomacoに対する強い思いが印象に残った。
*枠内は昨年書いた部分です。
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正直、エコファッションってもう珍しくない。
でも、これだけ大成功している人が、こんな思いでブランドを作っているとは。
ただ「人のため」だけじゃ、動機として弱い。
やっぱり自分とどう関わっていくかが重要なのかなーと思います。
岡さんは、女性としてもデザイナーとしても校長としても尊敬できる方!
走り続ける人の目だからこそ、長野の自然がさらに新鮮に写って生きてくるのだろうな。
いつも見ていた人だったら作れなかったかも。
後日いただいたメールには、以下のように書かれていました。
どんな人でも迷いや悩みはつきものです。答えを出すまでは苦しいものですが、結果、、自分が決めるしかありません。
でもその先に必ず道はあるものですし、あみさんも必ず乗り越えていく人だと思います。
ビジネスライクに名刺交換をしていた中いきなり涙を流し始めたを不審に思わず、こういった優しく、厳しいお言葉をいただけたことを、嬉しく思います。
大量生産大量消費のSPAブランドには、このようなストーリーはつきにくい。
このブランドは、一人の女性が悩んだ結果としての、また消費社会が行き詰まったその後のモデルを示していると思います。
昔から、欧米では自然は征服すべき脅威であり、アジアでは自然は神が宿っていると考えていると言います。
今持続可能なファッションは珍しい事ではなく、どの国でもキーワードです。経済的にアジアで最も早く遂げた日本人として、こういうEcomacoのような「次の段階の」ストーリーのあるブランドをもっと世界に発信していけるのではないかなぁ。岡正子さんデザインオフィスウェブサイトはこちら
今持続可能なファッションは珍しい事ではなく、どの国でもキーワードです。経済的にアジアで最も早く遂げた日本人として、こういうEcomacoのような「次の段階の」ストーリーのあるブランドをもっと世界に発信していけるのではないかなぁ。岡正子さんデザインオフィスウェブサイトはこちら