米国に来て数ヶ月。レストランで食事はできないので、シアトルのシティ内のマンション、または実家内の離れで食べている。
普段の米国食生活を見て驚いたことももちろんあるし、逆に日本の家庭料理を作っていて義母に驚かれたことが多くある。
「量が大きい」のイメージは皆あると思うが、食生活を解像度高く近くで見て経験し、自分も日本食を作ることで、色々と発見があった。
🔽夫実家のキッチン。海が見えて気持ちいい
私が米国の食生活で驚いたこと
毎回、一品一品を料理する量がとても多いこと
レストランで量が多いのは知っていたが、食卓でもそうなのだ。義父母夫婦、私たち夫婦の大人4人に対して、8−10人分以上作る。
給食用のような大きな鍋を使い、何日かかけて食べる。だから米国人の冷蔵庫・冷凍庫は大きいわけだ。そして、大きな量を作るとうことは、何度か同じ料理を繰り返して食べても飽きないということ。
日本だと、在宅の今は昼夜も違う料理をするのが当たり前で、1日3回料理をするのに疲れるという声をよく聞くが、ここではそんなことはなさそう。
私が繰り返しを少し苦手とするだけかもしれないけど。
🔽義母が作ってくれたパエリア。大きさわかりにくいけど、6-7合分くらいはあった
何でも事前準備された商品を使うのが当たり前
例えばローストビーフも、出来上がりのものを義母は毎週買っている。味付けも全てしてあるので、飽きないのかなと思うのだが。それ以外にも、味付けしてあるミートボールや、ドレッシングが一緒にパックされれて混ぜるだけ状態のサラダなど。お味噌汁を紹介したら気に入ったようだけれど、後日味噌汁の汁ごと調理してあるものを買っていて驚いた。トマトスープも、元じゃなくてそのまま液体で調理済みのものがいつも常備してあるので、納得だ。お味噌汁でさえも、「工程が多い」のかな・・?ラーメンも、私が作った翌週スープを買ってた。私の手際が悪かったのだろうか、と少し反省する。
🔽火を通してある鳥胸肉、ローストビーフはいつも常備してある
🔽スーパーにて、パックされれて混ぜるだけ状態のサラダ
🔽ラーメンのスープだけ売ってた 味噌汁も同じ感じ。
その他
・野菜と肉とを基本的には別料理として調理する。言われてみれば、日本の料理だと結構食材を一緒に料理をすることが多いが、こちらでは肉料理はステーキを始め肉として食べて、サイドに野菜、という形が多いようだ。
・アイスクリームやケーキの登場回数や姪っ子にあげる量にも、目がクラクラする。まあ毎回大量に食べるわけではないのだが、砂糖をとる量は日本より断然多い。(日本食も、料理の中に結構砂糖使うのだけれど。)
逆に、日本の家庭料理をしていて、夫の母に驚かれたこと。
昼間も手の込んだ料理すること
よっぽど料理好きな人ではないと、火を使った料理は1日1回以上はしないようだ。スープを作るくらいはあるが、何品も料理を作ることはないという。
その「手の込んだ」というレベルも、かなり日米で異なる。例えばオムライスを姪っ子に作った時、料理を見ていた義母は「こんなに工程が多いなんて!」と驚いていた。
主菜・副菜・ご飯を毎回用意する風習にも驚くそうだ。一人一枚のお皿に盛るのが一般的な米国の食卓からしたら、小皿を沢山準備するのが大変に見えるらしい。これは、日本だけではなく、韓国や台湾や中国、そして東南アジアにも通じる家庭料理の特徴だと言えると思う。
🔽祖母の家に「今から着くよー」と30分前に伝えても、あるものだけでこんな昼食が出てくるよ、と言ったら目を丸くしちた
料理・食べ物の基本知識が皆高い
例えば卵。生でも食べたい私に対して、絶対に食べられない義父母。日本の方が黄身の色は濃く、それは賞味期限が短く、餌が違うからだそうだが、確かにこれだと生ではあまり食べる気はしない。卵焼きについても砂糖を入れるというと驚かれる。
先日書いたように、こちらでお節料理を作った時は、義父母の苦手な海鮮物を避けることに苦労した。昆布、いくら、エビの頭、こんにゃく、数の子、かまぼこなどもちろん食べられないので、外した。日本は本当に海産物をたくさん食べる国だと実感した。
子供たちの好き嫌いが少ないこと
また、姪っ子に日本の保育園の様子をYOUTUBEで見せた時、好き嫌いせずになんでも食べる日本の子供達の姿に義母は驚いていた。米国では均一な給食は少なく、子供のランチは手持ちか、中学生以上は学校のカフェテリアで選んで買う形が多い。なので、栄養バランスが整えられて献立が考えられた日本の給食のようなところは珍しい。小さい子の机の上に何品も広がっていて皆が一粒残さず食べきる姿を見て、義母は目を丸くしていた。
料理の知識、栄養の知識が違う
噂ではなく、家庭科の初めての調理実習で作った食べ物は、「アイスに衣をつけて揚げたもの」という友達がいた。噂ではなくて本物だ。夫に聞くと、家庭科は小学校から選択制だったので調理実習は行ったことがないと言う。小学校の時、教室に必ずこう言う栄養素の図貼ってあったよね?子供もこう言う習うんだよ、と言ったら、義父母は「子供には難しすぎる」と言う反応でした。驚いた。
注意:サンプル数は少ない。でも、多くの家庭に聞き取り調査はしたところ、これは良い方。
コロナで他家庭は見えず、サンプル数は少ないが、米国の友達に聞いてもこの家庭は一般的か、それよりは野菜が多く、料理をする方とのことだ。
毎晩冷凍ミールセットをそのままチンして食べる家庭も多いという。部分的な冷凍ではなくて、例えば、調理済みパスタとマッシュドポテトがそのままお皿ごとチンできるような、そういうものだ。おそらくアメリカでは本当に罪悪感なく使われていて、その証拠に何と30年前のおままごとにも冷凍ミールセットが出てくる。
🔽TraderJoesと言う人気オーガニックスーパーでも、すごい量の冷凍ミールがかなりのスペースを取ってて驚いた。
まとめ
一食丸ごとの冷凍ミールは日本人としてはあまり真似はしたくない、と思ってしまうが、例えばカット野菜やカットしてある肉を使うなど、工程を省くことで料理時間短縮することは。私は無意識に「手のかかった食事=愛情」と考えがちだったが、それが全てではない、ということを改めて学んだ。
なぜなら工程が省かれていても、愛のある食卓は作れるし、健康に育っていることを目の前で見ているからだ。
日本の家庭はもっと手抜きしまくっていいし、アメリカはもう少し栄養考えたほうがいい。でも、どちらも気楽で、食卓が楽しいことが一番大事かな。