あけましておめでとうございます。今年は2度目のアメリカで過ごすお正月。とはいえ去年はラスベガス旅行だったのですが、今年はそうもいかず、今事情により居候させてもらっている夫の実家で迎えました。
以前、日本食を全く食べなれないこの夫婦の家庭に少しずつ導入した話を書きましたが、あれからもどんどん「これなら食べられるかな?」というものを導入しています。
「おせち」というものがあるんだよ、と紹介したら、義母がおせちの色合いとお重の美しさに感動して目をキラキラさせていたので、作ってみることにしました。
アメリカでは特に「お正月の食べ物」というのはないので、珍しかったのもあるかもしれません。
とはいえ
- 私、そういえばおせち全部作ったことないし、(いつも31日について母の最後の工程手伝うくらいw)
- しかもこの義父母夫婦が食べられないものが多すぎる。 海鮮全般的に厳しく、昆布、いくら、エビの頭、こんにゃく、数の子、かまぼこなど無理。
- そもそも、このエリアで食材全部揃うのか? (義母はアジアンスーパーにほぼ行ったことがない。)
という状態。
「おせち アメリカで作る」と検索すると結構出てくるけど、基本アメリカにいる日本人向けなので、特に2点目は考慮していないんだよね。
なので無理なく食べられそうな品数を絞って、あるもので作ることにしました。
醤油、みりん、酒などの基本はすでに買っていたものの、お正月料理の材料のを揃えるのにスーパー4つ回ったよ!なかなか大変でした。
左上から
栗きんとん
まず最初に、これなら絶対甘いから食べられるだろうと思ったもの。
買い物:さつまいもはJapanese sweet pottatoとして、高級スーパーに売られています。最近はTrader Joesにもある。
栗は食べたないとのことで、スーパーでも栗の甘露煮は見つからず。また、色付けようのクチナシもなかった。結局甘栗みたいなものを購入。
料理で工夫したこと:さつまいもを蒸して雑に潰したものに、家にあったリリコイジェリージャムと甘栗を混ぜたら、甘くて爽やかな味に!
柚子で香りもつけたらよかったかな、と思ったけれど、リリコイはハワイのトロピカルな柑橘風味も入っていて、ちょうどよかったです。
「甘い、アメリカ人にもぴったり!」とのことで大好評でした。
黒豆
買い物:アジアンスーパーに売ってた。日本だともう出来合いのものを買うことが多いのですが、豆から買いました。
料理:前日から戻す工程が少し面倒だよね。あまり期待通りに膨らんでくれなくて少し小さくなりました。
味評価:甘く煮てあるのが気に入ったのか、義父が「なんでこれアメリカにはないんだ」というほど。
アメリカ人にとって、黒豆はメキシコ料理のように塩っぽい食べ方をするものなので、結構無理かもしれないなーと思っただけれど、ばくばく食べてくれました。
なます
買い物:大根は、コストコ、TraderJoes、アジアンスーパーには無しなかなか売ってない。Daikkon Radish と言われ、高級スーパーで購入。義母は初めて見たとのことです!
料理で苦労:ピーラーが使いづらいw 日本の料理道具ってホント優秀だと思う。
味評価:これも、食べやすかったみたい。作ってる時から、ああこれはシンプルなピクルス(漬物)だね、と安心されました。喜んで食べてくれました。
お雑煮
買い物:
・お餅はコストコ、TraderJoes、アジアンスーパーには無し。最後に行った高級スーパーで購入。お餅も食べたことがないそう!MOCHIというお餅とチョコでできたアイスクリームだと思われてたから面白い。
・三つ葉ないので、代わりにシソを購入。シソも初めて見たと言われました。スーパーの人も三つ葉は知らなかった。
・顆粒出汁を使いたくなくて、出し用の昆布を買った。
・シイタケは少しずつ出回っている様子。TraderJoesで購入。
工夫:関東風のシンプルなお雑煮を。昆布だしをとって、醤油・酒で味付けしたんだけれど、
・義母にとっては「海苔・昆布」は結構見た目が怖いらしく、出汁を取るためであっても、使ったことは最初隠してました。笑
・焼き餅はトースターがないので、フライパンで焼きました。
・鶏のモモ肉を買い忘れたことに気づいて家にあったササミで代用。見た目がなんか貧相にw
あと、やっぱり白いスープ皿じゃなくて漆塗りのお椀に入れたかった。。!
手まり寿司(サラミ・きゅうり)
おせちとともに。酢飯が好きということがわかったので、家にあったサラミと胡瓜で急遽手まり寿司を作りました。
スモークサーモンも苦手らしいので、スパイスの入ったサラミだったのですがこれは美味しかった!またやりたい。
ローストビーフ
鴨肉は絶対無理というわけで食べ慣れたものを。
また、お腹いっぱいになって翌日持ち越しになったけれど、
甘酒・ぜんざい
も買いました。
気になる義父母の食べっぷりは・・?
まだまだ日本食に食べられない義父母が食べられるかを私はかなり心配してて、残しても良いよと言ってたのですが、なんと義父母は15分くらいで完食!!!「美味しい、美味しい」と、連発してくれました。
おせちって数日持たせるものなのにね。苦笑 でも、たくさん作りすぎて残ってもな、と思っていたので、やっぱり完食してくれるのは嬉しかった。
さらに嬉しかったのは、「こうやって綺麗な品数がたくさんあると、一品一品よく見て感謝しながら食べられるからいいね。アメリカは大皿料理でドンと盛る料理が基本だから、あまり一口一口を考えないから。この方がより美味しさを楽しめるし、お腹いっぱいになるね!」と言われたこと。
ほんと、それなんですよ。大味じゃなくて、一品一品の違いを小皿で楽しむのってアジア、またその中でも特に繊細なのが和食らしいなと思います。
今回はおせちなので、一品一品の意味も伝えました。それも楽しんでくれたようです。
私のおせちは見た目も別にイマイチだし、色々と邪道でしたが、その言葉をもらえて、作った身としてはとても嬉しかったです。
おせち自体は、かなり砂糖も入ってて甘いし、あまり健康的な食事って感じじゃないけれど、それでもアメリカ料理に比べたら植物性タンパク質もたくさん取れるので、良いんじゃないかなと思います。
にしても、私はたった数品しか作ってないけど手際悪く5時間弱かかったので、もし全品おせち・お雑煮・ぜんざい・甘酒・おとそを一人で準備してたらホント大変だわ。
実家の母よ、ありがとう。そりゃ3日間くらい何もしたくなくなるわ。と思ったわけでした。
(実際にはここで4人では食べず、5m以上離れた場所で食事しています。)
おまけ:これはその前のクリスマスに作ったチラシ寿司。
生魚はNGなので、焼サーモンフレークを作って入れました。アボカドは鉄板ですね。上のスモークサーモン部分は私たちが食べました。