コミュニティコンサルタント・NPO法人LunchTripの松澤亜美です。
前回の徒然投稿や、2018年の終わりくらいからこの「新たな人たちに出会うよりも、今いる既存の人たちを大事にしよう」という気持ちの変化が起きているのだが、この状態にはいくつかの切り口があります。
それは、1)キャリアの成長という切り口 2)30代という年代という切り口 3)クローズドコミュニティ・コミュニケーションが当たり前、という切り口 。
1)でいうと、上記で書いたように良いクライアントに恵まれ自分なりにブランドを作ってきたからで、一旦満足した後に自分でどうするかは考えないといけない。
2)でいうと、普通30代は新たな人に出会うよりも家族を作り育てていくフェーズ (私も含め誰もがこの普通に当てはまらない)だから。
3)は、最近顕著。あえていうなら、原点回帰かな。
近い人との日々の連絡と、深く知らない人たちに向けた投稿。どっちに時間を使うか
例えば、自分が今困っていることに関して詳しい情報を持っている人からの返信と、数年前に一度交流会で会っただけの、名前さえ定かではないただフォローしあっている人の結婚報告。どちらが重要なのは、確か。
また、自分の猫が病気になった時に、同じく猫好きのコミュニティで質問する時の切迫感と、聞いたことのない国のニュースやテロで何十人の人がなくなったと聞いた時の切迫感。
有名な話だけれど、好きな人からのメッセージというのはどんな時代も一番のキラーコンテンツ。どハマりしている面白いテレビもアプリも、これには勝てない。
10月に招待された米国のコミュニティマーケティングカンファレンスCMXで発表された、コミュニティ5つのトレンドの中の一つが、「ソーシャルツールはもっともっとプライベートな動きになる」ということだった。
誰でもにみてもらう承認欲求オープンコミュニケーションの物珍しさがある程度落ち着いたあとは、大事な人を大事にするクローズドコミュニーションへ。日本だけじゃなくて、世界中の人が同じ動きをしています。
ここ最近感じてきたこの流れがプラットフォーマーにも現実化してきています。
Instagramのストーリーにも「親しい人限定」ができて数ヶ月。投稿はしなくてもストーリーは頻繁に使う私にとって、この機能は特にヘビーユーザー。
3月頭のマークザッカーバーグの投稿でも、プライバシーやクローズドコミュニケーションを重視していく方向が発表されました。全く驚きがないというか、まあここ数年の動きを見てるとそりゃそうよね、という感じ。
去年Snapchatとも仕事をしていましたが、当初の「セレブの生活をみんなが見える」ことよりも、「生活のなかで気軽にクローズドなメッセージを送りあえる」ことに価値観を感じている人が圧倒的に多かった。
日本人は特にクローズドコミュニケーション・コミュニティが好き
一般に比べ、公開投稿に抵抗があまりない私でさえ、プライベート投稿やメッセージの方が圧倒的によく使うくらいだから、普通の人はもっとそうなのだと思う。
他人や場面それぞれに見せる顔が違う日本人なら、なおさらそうだ。
もともと日本人は別のコミュニティの人をすぐに紹介し合わないクローズドなコミュニティが多いと思う。
大学で交換留学して最初に気づいたのは、アメリカでは一緒にいたらその人のことを紹介しないと失礼にあたる。表面的にでも。日本では、サークルの友達と一緒にいる時に、その子の学部の友人と会っても、まず紹介はされなかったし、自分もしなかった。別のコミュニティにいるのなら、それぞれで生きる、というのが当たり前だった。
mixiやFBで当時から少しずつ人間関係が可視化されていったけれども、そこに疲れを感じてしまう人が多かった。よく言われてるように、もともと見なくていい他の人の人間関係が見えるから。
LINEの日本人浸透率は8割。LINEは、入った会話のそれ以前が見えない。実名制でもないし、基本的には知り合いのグループしか作らない。他のどんなライングループに入っているかも、他人からは見えない。極めて日本のコミュニケーションに寄ったコミュニケーションとも言えると思う。
ちなみに蛇足だけれど友人はLINE派とFBメッセンジャー派で二つに分かれる。インターナショナルやIT系はメッセンジャー、日本らしい、ドメスティックや年配はLINE。
メッセンジャーで連絡とってるグループは結構他の人も含めて飲んだり会ったりするオープンな関係が多いし、LINEで連絡とってるグループは基本「そのグループ以外の人は連れてこない」という無意識のルールがあるところが多いから面白い。
LINEはその人が他のどんな人等友人で繋がっているのか可視化されないから、プライベートで会って聞くしかない。極めてクローズドなコミュニケーション。
さて、その先に私たちはどこへいくでしょう。
企業の作るコミュニティ自体も、新しいコミュニティを作ろう!ということに躍起になる企業が大きかったけれど、すでに既存するクローズドなコミュニティとの関係性がより見直されていくのかな、とも思います。
こんなこと、最近ぼーっと考えてます。
未来予想はまた今度書きたいな!
週末のお花見🌸