みなさんこんにちは
今週は、妊娠31週を迎えます。まだミーティングなどしてますが、だんだんお腹が圧迫され苦しくなったりしてきました。それでも、7ヶ月頭まで続いた頭痛に比べたら全然マシです。
ここ2−3週間は、そうだ妊娠中にしかできないことをやろうと思い、
・ランチに行きまくる
・温泉旅行(ワーケーション)
・友達と一泊旅行
をしてきました。でももうちょっと無理かなあ。
他にも、ゆっくり映画を観る時間がなくなるよ、とか、思いっきり仕事をした方がいいとかいろんなアドバイスをもらいました。
必要に迫られたらやることはやるとして、
妊娠してから集中力が激オチで、産後はより厳しくなると言う読書をすることに。
「フェミニズム」や「女性学・男性学」について、去年からLunchTripで取り上げてはいるけれど、ちゃんと勉強してみたいと思ってましたので6−7冊くらい一気に買ったり借りたりして読みました。
図書館で借りた群がこちら。あとはKindleで3冊ほど。
その中でも特に印象に残ったを、取り上げていきたいと思います。
今回はこちら!
「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。
小川たまか
2015年頃から主に性暴力の取材に注力されてきたと言う筆者の名前は、Change.orgのキャンペーンで存じていました。2016-2018年ごろのブログをまとめたものと言うことで、Metooなどでフェミニズムが日本でも注目される前の話。
驚きだったことと、それに関わる私自身の経験を書いていきます。
1.「今まで痴漢はあって当たり前、かつ少し笑い事、だと思っていた自分」に気づいたこと。
私は中学高校と女子限定の私立に通っていたけれど、そこでの混んでいる小田急線で痴漢に遭うのは日常茶飯事だった。
後ろからガッチリ押さえつけられる。混んでいる。周りはスーツのおじさんだらけ。怖くて動けない。
それはクラスメイト誰でも共通くらいなことで、わざわざ騒ぎ立てるほどでもない。
先生に言っても何も取り合ってもらえないのはあたり雨、毎朝やり過ごさなくてはいけないことの一つとして存在していた。友達とも話したけれど、皆「何もできない」「仕方ない」しかなかった。本当にそれしかなかった。
学校の最寄り駅は各駅停車の終点で人通りが少なく、露出狂にも頻繁にあった。
それも運が良ければその直後にお巡りさんに偶然会い、パトカーで負ったこともあったけれどほとんどが「気持ち悪いもの」として、なんて言うか社会の必要悪みたいな形で存在を認めていた。
「春だから(と言っても季節柄全部でる)変な人もいる」「世の中には一定数の変態がいる」そう言われて育った。
そのうち、学校で展示されている制服が全部盗まれる事件や、変質者が学内で廊下を普通に歩いていた、なんてことも起こった。
20年前とはいえ、これ、明らかにおかしい。
なのに、私は大人になって外国人の友人と話すまで一度も、痴漢や露出狂は「性犯罪」と思ってなかった。
例えば外国人の友人に日本はなぜ痴漢が多いの?という質問をされた時に、少し茶化して返答したりしていた。
また、誰にでも遭うことだからそれを人に言うことも「モテ自慢でしょ」とか言われるのが嫌で、わざわざ話すことではないと思っていた。何かあったらネタにするくらいのことだった(美醜は全く関係ないと筆者が後で書いてたことも驚きだった)
遭ってしまう方が悪いから、なるべく混んでない時間に乗るなどで、避けられるならば避ける、、、それくらいしか対策できなかった。
今回この本で、「痴漢OK子」という言葉の存在を知った。
泣き寝入りしそうな警察に通報しなそうな女性を選美、そう呼ぶらしい。Twitter検索してみたら、本当にいた。女性側(を名乗るかもしれない)も、それを追う痴漢たちも。
認知の歪みがすごすぎて開いた口が塞がらない。。
実際、私が通った学校の制服はセーラー服、黒髪のみ、スカートは長く、、、つまり私たちは大人に対して従順そう、大人しそうなことを体現していた。
実際大学生になって髪の毛を茶色くしてスカートを短くした方が、1時間の通学になったのに、痴漢には遭う確率は減った(ゼロには全然ならなかったけれど)。
30代になった今でも、色白で華奢で目の大きな友達は、わざと髪をピンクや金髪にしている、と言う。それにより痴漢に遭う回数、そして男性に舐められた態度をする回数が確実に減ったから辞められないと。
痴漢は犯罪、かつ、中毒者であることが多い。
ほとんどの男性も、ほんの一部のパーセンテージの痴漢のせいで、冤罪の可能性を考えて行動しなければならなくて、被害者だ。
そして10代だった私たちも、れっきとした被害者だったのだ。
私は今までそれをネタ、のようにあまりシリアスなこととして捉えていなかった。
でもよく考えると、次世代の子供が同じように電車に乗るときに、同じことが全く再生産されて良いわけが無い。
🔺中高6年、毎朝混雑する急行の10分が地獄だった小田急線。大人になっても、なるべく乗りたくなかった。
2.性的合意年齢について全然自分ごとではなく生活してきたこと
ニュースではみたことがあった。
性交同意年齢、日本は明治時代から変わっていない。世界では引き上げ進む、韓国でも13歳⇒16歳に
でも、当時例えば痴漢されて訴えても、相手が「この子は黙っていたから、同意があった」と言い、私が十分に拒否しなかったことで、同意とみられる可能性がある、、、
そこは全く知らなかった。
性的合意年齢が自分ごとだと思っていなかったのだ。
でも、痴漢だって充分その範囲だった。
どうして、大人たちそれを教えてくれなかったんだろう、と思う。
どうして、当たり前だと思ってしまったんだと思う。
学校も、こんなに毎日のように生徒が性犯罪に巻き込まれているのを知ってかしらぬか、一度もそう言う教育がなかったことにがっかりする。
実際、認知の歪みを持った痴漢たちを避けるには、「痴漢NO」と言うバッヂをつけたらゼロになった、とか、以前はシャチハタが痴漢に押すハンコを売ったりしたことも話題になった。
3.ジェンダーギャップ指数で日本は順位を下げ続けていること
2016年当時、と言ってもたった数年前ですが、日本はジェンダーギャップ111位だったと言うことに驚いた。
今年は120位。つまり、下がってる!
指標のKPI詳細はここでは書かないけれど、政治や経済の参加度合いが日本は特に低くて、他の国はどんどん上がってるので他の国がどんどんいろんな施策をとってるうちに差が開いてる。
そのほかにも面白テーマがたくさんあった。ぜひ続きは「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 本で読んでいただけたら!
読み終わって考えた「声を上げること」
付箋をつけまくりながら一気に読了した後、帰宅した夫に一気に話した。
そうすると夫は、痴漢の部分に対して「アメリカ人だったら絶対痴漢されて黙っていないと思うけどな」と言った。
うーん、なんだか違う、と思った。
確かに今まで私は、Speak up 、つまり声を上げることの大切さを、いろんなところで人に伝えたり、書いてきたつもりだった。
出る杭は打たれる日本社会において、自分がおかしいと思ったことに声を上げる行為は、次の社会を切り開き、次世代を助けることになる。
でも、あの6年間、電車の中で声を上げることって、現実的に可能だっただろうか。
否。怖すぎて到底できなかった。
声を上げるのは、怖いことなのだ。特に、圧倒的に相手が強く、しかも助けてくれる人が周りに誰もいないであろう状況で。これを上げることが、どれだけ大変か。
実は私は30前後の時に一度だけ痴漢を捕まえる現場にいた。
自分で声を上げたというよりは、私は二人いる被害者のうちの一人だった。
女友達一人、男友達一人と終電近くの渋谷駅の電車内にいた私は、いきなりお尻を掴まれた。
でも、今までの人生でそうしてきたように、何もなかったことにしてカバンをずらしてその場をやり過ごそうとした。
もう一人の被害者の方が「この人今私を触りました!あなたのお尻も触ってましたよね!」と声をあげて、次の池尻大橋で一緒にいた私の男性友人が捕まえてくれた。
そのあとは警察に行き、なんども聞かれ。結局帰宅できたのは朝4時。
本当に疲れた。
結局それでも捕まったから良い方だが、「痴漢を捕まえる」ことに対してのモチベーションが下がってしまった。いうことに対してのコストが高すぎる。
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この本では、あくまで女性側の視点が語られていましたが、わたし自身はジェンダー平等というのは両方向だと思っています。
女性に関する権利を話すときに、同時に男性に対する「男なら稼がなきゃ・泣かないで・大黒柱にならなきゃ」のような価値観も刷新していく必要があると考えてます。
お腹にいる子供が15歳になるまでに、どんな社会を作れるだろうか。
男女ともに痴漢被害が無い日本、そして声を上げやすい社会、性差にとらわれずに行動できる社会を、作れるだろうか??
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インスタライブのお知らせ
今週末 5月2日の夜20時から1時間ほど、アフリカ。ウガンダ発のブランドRICCIEVERYDAYのインスタライブに出演いたします。
内容は、ジェンダーギャップ指数120位、どうなる日本のフェミニズム? とのことで、その予習もありこうやって本を読んでるのもあります。笑
ブランド創始者のChizuには2月28日にLunchTripウガンダ便にも出てもらいました。
当日はどんな話ができるか、とても楽しみ!
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ちなみに、キービジュアルにしたこの写真はポルトガル第2の都市ポルト、リベイラ駅で撮影したもの。
2017年に行きました。すごく綺麗だったなあ!
駅とか電車って、本当は痴漢に怯えて憂鬱になる場所じゃなくて、移動・旅が始まるワクワクするべき場所なんだよね!