最近、食品業界に関するドキュメンタリー映画をいくつ見た。
きっかけは、友人の1歳半の子供がとても落ち着いていたこと。
主張はするけど要求は強くなく、言葉話せなくても人の話をよく聞く。アメリカ人の子供との違いに驚いた夫が、私の友人に子育てTIPSを聞いた。そうすると「砂糖をあげすぎないことかなあ」という返答がきた。
アメリカで過ごした2020年秋-21年春、4歳(今は5歳)の姪っ子にあげるお菓子の量に衝撃を受けまくっていた私は、非常に納得した。明らかに日本の基準超えてあげすぎで、彼女が「シュガーハイ」「砂糖中毒」になっていくのを周りが助長してるように感じていた。
とはいえその日本人の友達だって別にケーキやパンも好き。ただ、その日出してくれたケーキは「アボカドとピーカンナッツでできたヴィーガン/グルテンフリー/シュガーフリー」なケーキだった。
イギリスに二回留学して今は外資系企業でマネージャーの彼女らしい食生活。私自身もファスティングして以来原材料に気をつけた食生活にはなっていたが、子育てという点で考えた時の「砂糖」と言うのは新しい視点だった。
一見の価値はあると勧められた映画「あまくない砂糖の話 That sugar movie」を見ると、普段の生活でいわゆる甘い食べ物を避けていても、実はヨーグルトやドレッシング、オレンジジュースなど加工食品の中に砂糖がふんだんに含まれており、結局は自分で簡単な料理をして食べることが一番健康だと言うことに気づかされる。
このドキュメンタリーの主人公自体も撮影過程で子供が生まれ親になり、同じように次世代を考える点も共感できた。
次に見たのは、「健康って何?What The Health」というNetflix映画。邦題だとヒネリがないタイトルだが、英語のWhat the hell? (なんてこった!畜生!)という怒りをこめた表現と似たタイトルになっている。
こちらは、肉食による健康問題・健康関連協会と食品業界の癒着についてがメイン。
なので、こちらはもっと動物愛護の観点も入る。牛や豚がどのような環境で飼育され捨てられ、その飼育環境の人たちが臭いに苦しめられているのかを映像で訴えられる。
私たち夫婦は、こちらの映画は科学的実証部分が弱く、最初の映画よりもちょっとうーん、とは思った。
ただ日本も畜産業界を守る癒着構造は容易に予想できる。
農林水産省は、私たち国民の健康にある反面、既存業界で働く人の生活を守るのも事実だからね。
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ここ半年、日本の第一線のビジネスマンたちが、「この方が身体の、ひいては仕事のパフォーマンスが良いからヴィーガンになった」というのを何人か聞いた。
日本では政治的や環境的な判断よりも、健康かどうかがすごく大切だから、その判断は真っ当だと思う(アメリカ人から見たら国民総健康オタクと言える)。
ただ日本の場合、米国から帰国して感じたのが「もともと植物性たんぱく質をとることに慣れてる」という点だ。
だって肉を食べるようになったのってせいぜい明治から。
納豆、豆腐・醤油・豆乳・大豆ミートなどが、そこまで新しいものじゃなく自然に取り入れられている。
アメリカだとヴィーガンになった人たちが結局ハンバーガーも食べたくて「Beyond Meat」や「Impossible Meat」を高級スーパーやお店で買ってたりする。私も在米中買って食べ比べブログも書いた。次世代として大事だと考えてるから、株としても投資してる。
その後帰国すると、不在だった半年弱でもう一度植物性たんぱく質が見直されているように思った。スーパーのLIFEにはオーガニックのコーナーに大豆ミートが置かれてた。そうでなくても、、もともと百円以下で豆腐も納豆も茹でた豆も売ってるからそれを1食に1回入れるだけでたんぱく質が取れる。
3/29のIGStoryより
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ただ私は別に菜食主義(ベジタリアン)ではない。
やっぱりそれよりも「美味しいもん食べたい」の欲求が強いから。
LunchTripを主宰していたり、恵比寿に住んでいたことから、
食べることが好きなお友達が周りに多い。
なのでこのヴィーガンの話にもよくなるのだが、私としては環境・健康よりもまだ「食の楽しみ」が優先されている。
もちろんヴィーガンの人の考えは尊重するし、理論的にそれがいいことはわかっているけれど、行動が全てはついていかな。なぜなら美味しいもんが好きだから。
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そんなことを考えていたタイミングで、100%ヴィーガンのレアチーズクリームをいただいた。
チーズもクリームも乳製品=動物製食品では、、?と思うけど、全部オリジナルの豆乳クリームを使っているという。動物性の生クリームやクリームチーズと遜色ない・・・というか気づかないレベルでおいしかった。
独自開発したらしい。大豆臭さ、添加物もない。
直径14cmのケーキに、レモンの皮が一個分使われているのですごくさやわかだった。
6カットされていたので、夫や母、そしてベビーグッズを持ってきてくれた友人にも食べてもらった。
皆口を揃えて、ヴィーガンって気づかないね、というのと、コクのあるクリームに驚いていた。
ビオクラのウェブサイトを見ると「国産原材料と加⼯法にこだわったプラントベースの商品を通じ、“食のバリアフリー”の実現」とある。確かに、今までは乳製品たべれなかった人にとってはバリアフリーだ。
原材料も詳しく見てみる。
発酵豆乳食品(豆乳ヨーグルト) (大豆を含む、遺伝子組換えでない)(国内製造)、有機ココナッツオイル、小麦粉、ライスミルク(有機米、有機食⽤ひまわり油、有機食⽤紅花油、食塩)、有機ブルーアガベ、豆乳、なたね油、てんさい糖、カカオバター、アプリコットジャム、有機アーモンドプードル、レモン果汁、カシューナッツ、リンゴジュース、ぶどう酢、葛粉、本みりん、レモン皮、米ゲル、食塩、粉末寒天、バニラビーンズ/ベーキングパウダー、バニラ香料
すごいね、徹底してる。
”卵や乳製品アレルギーの方、思想・ライフスタイル等の理由で楽しめなかった人”が、私みたいに普通の人と一緒に食べるのに、とっても良いと思った。
お値段も直径14cmホールで3,456円。
我ら夫婦の好きなHARBSなんて8号サイズでホールで1万円超えるから、素材こだわったケーキとしてはむしろ安いのかも。
結局わたしの「美味しい食を楽しみたい」スタンスは変わらない。
でも、同じように美味しくて健康的・環境的にプラスになるのであればヴィーガンを選ぶ。
こんなに選択肢が増えているのならば、肉も、スイーツもどんどんプラントベース(植物性由来)を選んでいく。
10、20年後。
私たちが食べてるものはさらに進化しているだろう。
美味しく多様なプラントベースが楽しめれば、私もヴィーガンになっているかもしれない。
それは明治以前の植物性由来の食べ物に戻るということでもあり…..なんだか人間の進化って面白いね。