以前書いたように月1ペースの海外ワーケーション(WORK + TRAVEL)にトライしている我が家です。
11月は、弾丸で実は韓国にいて、そして1週間台湾で過ごしました。
もちろん1箇所1箇所に住む方が各文化の造詣が深くなると思うのですが、世界点々と回ると、ある程度俯瞰して共通したトレンドが見えるという点が気に入ってます。
で、今年発見したマーケティングトレンドは、「Diversity and Inclusion 多様性と含有」についてです。
Amsterdam アムステルダムでの気づき:LGBTQパレードは消費行動を促進する
私と夫がついた7月末は、ちょうどLGBTQの人たちの権利を主張するプライドパレードの時期でした。
🔽アムステルダムといえばこの運河。
もともとオランダは2001年に同性愛が合法化されており、街中にそういう方々は溶け込んでおり、すでに権利を主張する必要なんてなさそう。なんでパレードやる必要があるんだろう?と思ってました。
敢えていうならば、とっくに女性に選挙権があるのに、「女性選挙権をくれ!」というようなそういう意味のないパレードなんじゃないか?とも。
街を歩くと、あちらこちらににきらめくレインボーのデコレーション。東急ハンズのようなお店、デパート、下着屋さん、おしゃれなカフェにも、必ずレインボーの旗や、可愛い飾り、オリジナルグッズなどが置いてある。町全体で盛り上げようとしてるのがわかりました。
そして私自身、それに取り組んでいるお店に対して好意的な気持ちになり、気づくとお店に入ったり、足を止めたりしていました。
🔽街を歩けばだいたいこんな感じ。私たちのホテルの前
🔽ミュージアムはこちら
🔽お店もだいたいこんな飾り付けがしてある
🔽ショップの中
🔽ウィンドウこんな感じ
🔽名物ニシンにさえFLAGが付いてくる
そして何日も街を歩いているうちに気づいた。
これ、クリスマスに近いんじゃん!と。
つまり、クリスマス、キリスト教を信仰しているかどうかは関係ない。ハロウィンだって、本来の意味関係なくオレンジ色の飾りつけたりするでしょう?
クリスマス商戦、ハロウィン商戦、みたいにお祭りになってるんです。お祭りだとみんな乗っかって消費する。
クリスマスだからってキリスト教を信仰する必要はないけれど、お祭りによってキリスト教が身近になるのは確か。
同じように、パレードに参加したからってLGBTQになる必要はないけれど、身近になるという効果があるように思いました。
NEW YORKでの発見:銀行もレストランにもドアにはシール、地下鉄にはジェンダーフリー
10月New Yorkに行って面白かったのは、銀行でも普通のレストランでも、ドア近くに「虹色の小さいシール」が貼ってあること。(写真撮り忘れた!)
銀行にはポスターが貼ってあって、「私たちはあらゆる性別の人をサポートします」と書いてある。
それは、私みたいにLGBTQではない人にも、「このシール貼ってあるんだったら、ちゃんと今時の考え方をした店主なんだろうな」と思わせる効果があるんです。
シールがついていなきゃ入らない、というほどではないけれど、隣り合う二つのレストランを迷った時にどっちにするかって聞かれたら、この虹色シーツがついてる方を選ぶと思う。
⬇️ 地下鉄のリネンの広告は普通に男性同士、女性同士で寝てるものもたくさんある
イギリス:広告基準が変わった
またこれも今年2019年の夏に訪れたイギリス。
6月から、広告基準局が、「有害な」男女のステレオタイプ描く広告を禁止しました。
性的ステレオタイプ とは、男性はこうすべき、女性はこうであるべき、みたいなものの押し付けです。そういうのはもうダメですよ、ということです。
それに早くから対応していたのはユニリーバです。
具体的には、いつも「いい匂いでいればセクシーな女の子が自然と寄ってくる」広告だった男性デオドラントのAxe はブランディングメッセージを、FIND YOUR MAGICにしたんです。
2016年時点のスーパーボール(注:アメリカで一番視聴率の高い注目されるフットボールの試合、その中休みのCMは)で出したCMは、世界中から賛辞が起こりました。
クリエイティブディレクターは、明確に「男性らしいという言葉の定義を変え、なるべく多様性を含めるようにしていきたい」といってます。 (参考記事:2016: Super Bowl 50 Axe – Find Your Magic)
そして販売元のユニリーバの結果はどうだったか。売り上げは上がり、NPS(ブランドイメージ)が上がったことを認識しています。
つまり
他国は結構もう、「ダイバーシティを気にしてるメッセージングを出している方が人に好かれる」ことがもう当たり前。
強く言えば「ダイバーシティをメッセージとして出さないと儲からない」世界になってきてるんです。
日本ではリスクマネジメント(=文句言われる人たちにだけ対応する)ための守りのダイバーシティ対応が多いですが、そうじゃなくてもうブランドメッセージになってきてるんです。
私自体はLGBTQではなく偶々ストレートですが、同じ条件で二つの会社があった時、LGBTQの人をサポートしている会社を選ぼう、と思います。
別にLGBTQだけじゃなくても、人種・男女・年齢など、よりダイバーシティがあるブランドは、より消費者に好かれることが判明した研究結果もたくさんみています。
これを見たのは、欧米諸国だけではありません。先月台北にいっても同じような事例をたくさん聞きました。(これに付いてはまた別に書きたいな)
今後、私が見つけた企業がどんな取り組みをしているかの事例として書いていきたいと思います。
実はこの企画を話したところ、すでにある大手企業からうちを取材しないかとお声がけもいただいております・・・!
こちら、一緒に取材していきたい!という方、ぜひ募集中です。