前回から、アトリエ絵楽という中目黒の絵画教室のメンバーで行った箱根彫刻の森への旅について書いてます。
今回は、絵画教室を一つの趣味コミュニティとしてみて、その盛り上がりや中心にいる人の役割について書いてみます。
アトリエの生徒と先生で都内から離れた旅自体が初めてでした。
以前から「スケッチツアーをしたいね」という話が出ていながらも、なかなか実現せず。でも、絵画教室「アトリエ絵楽」がオープン4周年を迎えたことで奮起一発、こうやって実現に至ったんです(私企画者じゃなくて、乗っかっただけですが)。
彫刻の森の帰りに寄ったお蕎麦やさんにて。
絵を描く仲間というのは不思議で、利害関係は何もなくて、付かず離れずな関係。
普段同じ絵を描くわけでもなければ、競争するわけでもなく、何かを協力して一つやってるわけでもない。ですがアートな人たちって何か共通点があります。
- 「表現できてる」「センスがいい」ことが価値観。お金を稼いでるとか、数字とかはこの場においては何も価値を発しません。
- 「語るより描く」 アートな人たちは、言葉で表現するよりもアートで表現する人たちが多いです。よって、私はアトリエの中でダントツおしゃべりです。みんないつもごめんw
教室の特性からできた特徴として
- 描きながらお酒を飲む(ウェブサイトに書いてある)
- 描くトピックも、手法も自分たちで決めていい
- 1ヶ月に何度でも通い放題なので、同じ人と何度も会うというよりは、毎回違う人がいる
(普段のアトリエの様子下)
そして、ここのコミュニティ中心であるミッチー先生の特徴として
- 生徒のことが大好きで、気遣う(→気遣いしすぎて謎に「やりすぎたかな?」と落ち込んで、生徒に慰められる)
- でもすぐ色々と忘れる、抜けてる
- 誰よりも最初にお酒を飲み出す
- 生徒同士を毎回紹介する
- 絵がものすごく上手い(先生だしね?)
- オープンマインド
- 世界の美術に詳しい
というのがあります。だから、生徒もその色がある。
ちなみにアトリエを閉める夜までいると、必ず先生に誘われ、都合がつく人は何人かで食事に行きます。
そういえば初めてアトリエに体験レッスンを受けに来た2年前の私も、「暑い!暑すぎる!!もうダメだ、ここを出てへぎ蕎麦食べに行こう」と言われ、半強制的に?飲みに行きました。
でもそのおかげで、今もこうやって参加してるんです。(最近呑みには全然参加できてないけど)
今回の旅、私は残念ながら翌日予定があって日帰りだったのですが、みなさんは箱根に泊まり、翌日は4周年は横浜のお部屋を貸し切って大パーティ。
そこではケーキと、みんなの絵入り冊子プレゼントが行われました。先生、男泣きしたそうです。出たかったなあ!
私自身、他の生徒さんのことをそこまで深く知らなかったのですが、1日でたくさん話してみんなのことが大好きになりました。私のブログを読んでくれてる人がいたこと。アートな仕事をしている人。家が近い人。同じジムに通ってる人。おかげで、もっとアトリエに行きたくなったし、もっと皆と話したくなりました。
また、箱根旅行からまだ1週間経っていませんが、その間に2つも新たなイベントが生徒発で建てられました。ラインもすごく活発になりました。旅行に来ている人だけじゃなくて、そうじゃない人も、です。
これは明らかにエンゲージが高まってる瞬間。
====
前置きが長くなりましたが。表題の話に入ります。
よく、コミュニティマネージャーはどんな人がいいですか?と聞かれるのですが、この「抜け」要素ってすごく大事だと思うんです。
先生が面倒で行わなかったスケッチ旅行を実現させてくれたのは、しっかり者のよしえちゃん・梅ちゃんという生徒二人でした。しおりまで作って、完璧なプラニングをしてくれていました。おかげで、私みたいな一参加者も、すごく楽しめました。
先生は、運営は絡んでなくて、ただ生徒を誘う役。数人で始まった企画が、日帰りの人もいれて合計20名弱にまで広がりました。
コミュニティ自身に魅力を感じた人が、どんどんプランできる「余地」があること、すごく大切です。
自分の描いた世界だけを完璧に作りすぎると、参加者はただその中で動くコマ・またはただのお客さんになってしまいます。そうじゃなくて、いろんな活動ができたり、助けたくなったり。
(ここら辺は朝井リョウの「スペードの3」を読んで見るとよくわかります。完璧すぎるコミュニティリーダーは、いつか崩れる)
余地があるからこそ会話が生まれるんです。ルールをガチガチに固めるとだめ。
そして中心にいる人は、なんでこれをやってるのか、今後どうしたいかなど、その思いの丈を語ることが大事です。
ただし。
企業のコミュニティマーケティングという視点で見ると、この2点だけでは足りません。
上記2点は、「マーケティング=マーケットを作る」よりも、「みんなの仲を深める」つまりエンゲージメントを深め活性化させることに対して重要です。
結果的にその深めた仲が、さらにいいご縁を呼んで来るようにするには、ちょっとしたストラテジーというか道筋を引いてあげたらいいと思います。また、外にあるコミュニティを獲得するのも、拡大するには大事です。
私としては、今のアトリエみたいな緩いコミュニティが、趣味の場として、すごく心地よい。
世の中のうまくいってるコミュニティのほとんどがこの「緩さ加減」「抜け加減」がちょうどいいんだと思います。ちょうどいいと思う人が残るというか。
特に、仕事以外のコミュニティの場合、みんなガチガチしたくないしね。
以上。アトリエ絵楽への愛を書いていたら、すんごく長くなっちゃいました。私みたいに永遠の初心者でも、歓迎だよ!ぜひ遊びに来てね。