こんにちは。流産のお話、第二弾です。
前回第一弾はたくさんのコメントをありがとうございます。「私も人知れず流産しました」と言うメッセージもたくさん頂きました。
正直前回のは、綺麗なメンタルの部分だけでしたが、今回はもう少し具体的に、何が起こったかを書いていこうかと思います。(途中血の表現なども出てきますので、苦手な人は斜め読みしてください。)
流産情報は絶対不足
病院では、次に何が起こるか、そしてどんなリスクがあるか、ほぼ説明がなかった。そしてこれは私だけではなくて、他の友人にも共通していた事実です。
大きな病院でも「これは流産ですね。じゃ、手術はいつがいい?」と言われるだけで、その間に何が起こるか、どんな心の準備をすべきかは、こちらが質問しない限り情報提供されない。
幸いわたしの場合は、古い友達に流産経験者が数人いて、「絶対に支えるからいつでも連絡して」と言ってくれた。事前に「私にはこんな順で起こったよ」と事例をそれぞれ教えてくれて、朝から晩までラインで質問したら答えてくれる最強のLINEグループだった。後に述べる死闘の日には、それが生命線だった。
事例を知るのは大事。人により勿論ケースバイケースなので、何が正しいとかはないけれども、次に何が起こりうるか知ってるだけで、全然違った。(ついでに、流産した友人は全員その後妊娠していたのも明るい希望だった)
だから友人がしてくれたように、かなり赤裸々にここに書きます。
できれば、女だけではなくて男の人も知ってほしいな。
起こったことの記録
6/21 金曜 クリニックの先生に流産だと言われる。週末明けたら大きい病院で再検査して手術の予約を取れと。明けにその週末は、悲しいかな体調は元どおりに。(流産の告知を受けてからの心境や過ごし方については前回書いたのが詳しいです。前回ブログは、ここの週末にドラフトを書きました。)
6/24 月曜(くしくも誕生日!) 大きい病院でのエコー検査、流産確定。掻き出し手術の予約をし、そのために血液、心拍、X線の検査をその場でして帰る。この時点では、痛みない麻酔手術の予定だった。
その後、6/28まで体調絶好調が続く。たくさん、お寿司やチーズなど妊娠中NGだったものを食べまくり❤️
6/29 土曜朝 なんだか生理みたいなダルさに気づく。ほんの少し出血があるが特に日中は問題なく、恵比寿メンバーと楽しく伊豆のログハウスでBBQ!前から予約してて本当に楽しみだった。
6/30 日曜朝 ログハウスのベッドで早朝に数時間鈍痛。まあ普段の生理痛の4割くらい。ただ、朝起きて皆と一緒に座った時に突然ぬるっと何かが飛び出た(痛みなし)。横にいた夫が急いでバスタオルを持ってきて私はそれを巻いてトイレへ避難。血の塊を見て衝撃。夫はスカートやトイレやら、血の跡を綺麗に掃除してくれたので、皆にはバレずに済んだ。少し休んだら、すぐ元気に復活!お寿司を食べて、温泉入らず帰宅。
6/30 日曜夜また腹痛。でも痛み止めバファリンで1時間くらいで落ち着いて、治る。小さな血の塊がでる。
7/1 月曜夜 私は死闘と呼んでいます。1.5-2kgくらいの血が出た、すごい夜でした。
近所のカフェで仕事をしていたら急に腹痛がきて、すごい量の血が出る。でもまずはトイレに行き、お風呂で体や頭洗う間に止まるだろうと思ったらなかなか止まらない。大量の鮮血がどくどく流れ続けて、血の塊が出続ける。立ってられなくて、お風呂にしゃがんだまま。
「風邪っぽいから寝てるね」とメッセがきていたから起こしてはいけないと思っていた夫を流石に声で起こし、タオルとTシャツと痛み止め薬を持って来てもらう。
でも、昨日は効いた痛み止めが今日は待てども効かない。その間もずっと流血してる。夜用ナプキンが15分で溢れる量といえば伝わるか。
そこで夫に、痛み止めとさらに大きな生理用品を買ってきてほしいと依頼。
夫がいないうちに呼吸できなくなり、痛くて苦しかった。わたしも子供と一緒に死ぬのかも、死にたくないと思った。救急車呼ぼうと思ったが、そこまでしてはいけないのでは・・・と考え電話はできなかった。
すごく痛いが波はある。これが陣痛なのか。落ち着いた時には、このお風呂で死んだら掃除不足で恥ずかしい。こんなに呼吸できなくなるから酸素マスクつけるのかリアルなことを考えてた。
買い物に出ていた夫が帰宅し、着替えてお風呂からベッドに移動しようとするが、立てない。貧血か、立てなくて四回ほど気絶しそうになって夫に支えられて休むを繰り返す。最後は頭を低くしながらどうにかベッドへ。横になる。
お風呂の床よりもベッドってなんて暖かくて柔らかい…と思ったのを覚えている。すごく安心感があった。
その後何度か強い腹痛はあった。病院に電話し、こんな血が出てるんですが大丈夫なのでしょうか?と聞くと「ああ、それならもうすぐですね」と夜勤の先生が呑気な声で言った。
でもその通りで、最後に子供(胎嚢)が出てきてくれた。病院に持って来るように先生に言われていたので、Ziplockに収めた。一気に体が楽になった。
カフェで最初に血が出てから、全部で4時間の死闘だった。そのまますぐ眠りについた。
7/2火曜朝 朝5時に、なんだか血が足りないと思う、という私の言葉を聞き、夫が走ってプルーンやひじきや豆など鉄分フードをコンビニで買い占めてくれる。私はその間、結構ほんとに倒れて運ばれて危なかった人の流産ブログを読み、そこから「昨夜怖かった、生きててよかった」と思い出して涙ボロボロ。もう一生普通にデートとかできないかも知れなかった、と思った。
7時に母到着。大きな病院にいったら、「予想より早く降りてきちゃったんだねー。まだ血の塊が残っている」と言われてその場で麻酔なしで掻き出し処置された。これが、事前に友人にも聞いて、一番恐怖に感じてたことだった。リラックスして~リラックスして~~と言われるけど、痛い痛いって思う分、足がガチガチに固まってしまって、緊張して、余計痛かった。おそらく10分くらいの出来事だったけれど、大のオトナだけど、本当に冷や汗をかいたし、終わってから涙が出た。
それ以降数日 基本的には在宅で、仕事しようとした。ただ、強い頭痛・腹痛があるので、常にベッドと離れられない。ここで無理すると一生婦人系で苦労するとのことで、自分に絶対安静を課しました。「早くいつもの体調になりたい」と強く強く願った数日間。
手術翌週(今ここ) 診断をし、経過は良好とのこと!まだ少し出血があり疲れやすく、たまに腹痛頭痛はあるものの、ほぼ普通の生活ができています。毎日、ただ起きていられるだけで、仕事できるだけで、本当に幸せを感じてます。
自分にもあった無意識思いこみ 血は穢れてる?男性には血の話をしてはいけない?
ここは今回の予想外の学びだった。
私は、下記を聞いたり読んでもどこか他人事だった。自分はきちんと伝えられるから問題ないと思っていた。
・昔から女友達が良く言う「男は、妊娠・出産も簡単だと思ってる節がある」
・流産や出産、不妊治療のブログで読んだ「夫が協力的ではない、理解してくれない」と言う不満・悩み投稿。体の悩みよりもこれがすごく多かった。
ところがどっこい、実際今回旅先で血の塊がバーストした時、男友達たちにわからないように必死で隠そうとしたのは紛れもない自分自身だった。「みんな、特に男性には血を見せたら怖いし嫌な思いになるから、絶対に絶対にダメだ」と強く思った。夫は「夫婦のことだから当たり前」と自ら掃除してくれたが、感謝とともに罪悪感を感じた。
帰宅した夜、ログハウスで一緒に来ていた女友達から「男の子たち、この旅行であみちゃんの体に何が起こったか全く知らないから伝えてあげても良いかも」と言われ、確かに私は女性には伝えてたけれど男性には何もないふりをしていたことに気づいた。その通りだと思い、そのあとは正直に伝えてた(とても仲が良い、連絡頻度の高い友人たちなのです)。みんな驚いてたけれど、だからと言って態度は変わらない。受け入れてくれたように思う。
思えば、私たちは小学生の時男女で教室を別れて、生理の教育を受けている。あれは「男子に話してはいけませんよ」と言う強烈なメッセージだ。CMでは、青いサラサラの液体が生理用品にビーカーから流れている。赤い血の話は、してはいけない。穢らわしい。いつの間にか自分自身がそう感じていることに気づいた。
だから、男性が知らないのは、「女性が良かれと思って男性には情報を伝えない」ことが原因だと気づいた。自分の体のことを理解して欲しかったり、子育てに参加して欲しかったら、情報は渡すべきだとも思う。男性は、私たちが思っているより、きっと強いぞ。
ただこれは、単純に女性たちに「妊娠したらすぐに人に伝えましょう」「生理の話は積極的に」「流産の話も隠さないべき」と言えるような話じゃない。とてもセンシティブだし、人によって感じ方は違う。私だって妊娠初期にはいえなかった。それに、流血事件や死闘の夜はいまだに恥ずかしい。夫にお腹の中の血の塊(おそらく子宮内膜)を見せてしまった罪悪感もある。今、こんなに赤裸々に書いてて、もう誰にも女性として見られないのではないかとも思う(いい女はミステリーが大事とかいうし)。
結論、まだ自分の中でもどうしたらいいと言う明確な解は出ていない。
でもわかったのは、自分自身に「男の人に知られないようにすべき」無意識な思い込みがある、と言うことだ。男女関係なくとも、姿形は普通な妊婦初期や流産直後の辛さは、本当に人に見えないのに、これが余計隠してしまう。
芸能人の発表とかソーシャルで出てくる図って 1)妊娠しました、安定期です♡ 2)臨月ですマタニティフォト♡ 3)出産しました♡ 4)子供と幸せ♡ なシーン。そりゃそうだ。幸せそうな姿しか、見せない。
それ以外の部分を出すのって、ほんとは恥ずかしいことじゃないのにね。それに、男女限らず、血の話だって受け入れてくれる強さや懐の強さがあるのにね。
そう自分に言い聞かせて、これを書いている。
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以上、長い文章を読んでくれてありがとうございました!
今はもう普通の生活です。座れる、外に出れる、働ける、歩ける。ほんと嬉しい!
もしよかったら、前回第1弾と今回第2弾のブログ、ぜひご自分のパートナー、友達、ご家族などにシェアいただけたら嬉しいです。
前回のほうがグロさないので気軽かもしれません。
第1回は簡単に言えば人間が妊娠して生まれて健康でいることの奇跡、第2回では無意識の思い込みについて、これをきっかけに考えてもらえたら、とってもとっても嬉しいです。
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おまけ:楽しい伊豆旅の写真を少しだけ♩
泊まってたログハウス。晴れたら富士山も見えた!
地下には卓球台も。
すしざんまいポーズ!他にもおばポーズとか、色々やった。笑
帰りは熱海で念願の海鮮丼。日曜の朝鈍痛があった時も「寿司だけは食べて帰りたい」と思ったくらいは愛してる。
雨だったけれど、紫陽花が綺麗な週末だった。
生きてるって、ほんと幸せだね❤️