10月になり、本当に毎日楽しい。
8月も9月も楽しかったけれど、自分が外に出られるようになって、家族も外に連れて行けて本当にワクワクしてる。軽い体で天気も良くて、最高!
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私は大学生の時に英会話教室でアルバイトをしていた。お金を稼ぎながら英語を学ぶ一番いい方法だと思ったからだ。実際それは正しかったと思う。語学はインプットよりアウトプットするのが大切だからだ。先生と生徒としてだけではなく、同僚としての関係の方がもっと対等で、一緒にいる時間が長く、自然に友達になれて、話す量が増えた。
英会話の先生は、20代の、一時的に日本に住んでいる若者と、日本人と結婚したりして、もう日本に永住することを決めてずっとこの仕事をしてる30代後半以降の2タイプに別れる。
*英語圏の若者にとって、大学卒業後の「真面目な仕事」に就く前に、別の国に住んで、英会話学校で気楽に働きながら海外暮らしを1年など短期楽しむ、いわゆるギャップイヤーみたいなものが一般的だ。日本の卒業旅行のようなノリ。
その中でもAidaは特に仲良くなった。大学を卒業したばかりの彼女は年齢も近く、明るいパーティガールで、エチオピア出身のカナダのトロント育ち。のちに、アメリカ留学中に初めてのNYを一緒に旅したの彼女だ。
前置きが長くなったが、そのAidaが久しぶりに日本に来た。
可愛い娘を二人連れて。彼女に会う直前に、私も次女を産んで、私もAidaも二人の女の子のママになった。
面白い。当時おそらくあの英会話学校で一番若くて、いつも仕事の合間にふざけてた私たちが、ママなんて。
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新宿で待ち合わせると、素敵な笑顔は何も変わってなかった。明るくてテンションが高くて。南口の花屋の前でハグした。
日本に来るのは20年ぶり、会うのは18年ぶり。その間に起こったキャリアの話などを急いでキャッチアップしながら、今回まだ行っていないという都庁に向かった。彼女はIT会社のディレクターになっていた。政府のシステムを入れ替える大きなプロジェクトを扱うという。あみに比べたら全然Excitingなキャリアじゃないのよ、と言ってたけれど、私はやっぱり仕事できる人だったんだな、と思った。
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都庁の展望台を待つ間、彼女は「久しぶりに日本に来て、ママの目で見て、前は子供が全然目に入ってなかったと思う。それで驚いたことが二つあるの」と話してくれた。
一つは、とにかく安全だということ。彼女の住むカナダのトロントでは、子供が一人で歩くことはまずない。日本だと、私立に通う子供が一人で電車に乗ることもあるし、浅草みたいな観光地で5歳の子が街でちょっと先に走り出してしまっても、その親は余裕でそれをゆっくり見て歩いていく。トロントだったら必死で追いかける。
彼女の住むエリアはトロントの中心から30分の閑静な(おそらく高級な)住宅地らしいが、それでも娘がスクールバスのバス停に歩いていくことを考えると、心臓がバクバクするらしい。
日本には誘拐とかないの?本当になんで大丈夫なの?と何度も聞かれた。
二つ目は、日本人の子供もやっぱり子供だということ。今回娘たちを旅行に連れてくる前に、あなたたち、ほんとうるさすぎる!日本ではみんなちゃんと振る舞ってるのよ、と言ってたけれど、日本人の友人家族の3歳と5歳を見たら、普通に騒いでいたし、イヤダイヤダと泣き叫ぶこともあったと。そりゃそうだ(笑)
日本人の子供は行儀がいい、おとなしそうだと他でも言われたことがあるけれど、私も一人の親として、いやそんなことないよ、と思う。確かにもう少し厳しく「人前ではきちんとしなさい」と躾けられるのは嘘ではないかもしれないけれど、やっぱり子供は子供だ。
彼女はまた、Mommy Guilt(母が感じる罪の意識)についても多く語った。
娘たちが小さい時に仕事が忙しくて十分にかまってあげられなかったこと。そして父親と違い、細かい名前付けや保育園や学校とのやりとり、感情サポート、子供の友人関係などで大変だったこと。
仕事と子育てでいっぱいいっぱいになってしまったので、自分の友人と会う時間が全く作れなかったこと。
そして最後、帰る前にこれが食べたかったのよーと言って、吉野家で牛丼を家族の分もテイクアウトして帰って行った。これこれ、英会話スクールの横にあって、おじさんたちに囲まれてお昼に食べてたんだよねー、といった。
ウイスキーみたいな大きなメープルシロップをお土産にくれた。
そして、ホテルで家族と待ち合わせて、成田空港から帰国していった。
”Don’t be a stranger! I did not have time for friends when kids were small, but I still want to be your friend!”
「気軽に連絡してね、また会おうね!私は子供小さい時友人と会えなかったこと後悔してるの。でもあなたは私の友達だから!」
こう言って、改札を入って行った彼女。次に会えるのはトロントか、シアトルか、東京か。20年後になったとしても、また同じようにすごい勢いで語り合える自信がある。