最近自分自身が悩んでたこともあり、女性の人生の転機に興味があります。
また、頻繁に旅をして面白いひとやストーリーに会える機会が多いので、その人たちを友達に紹介したい、という漠然とした思いがありました。
実は、他のサイトを立ち上げてこの「世界の女性のライフストーリー〜正直ベースで良いこと悪いこと紹介シリーズ」をやろうと考えてました。(ながっ)
でも、インタビューはするのも書くにも時間かかるし、何より新サイト始めるの大変だし、なかなかスタートできなかった。
けど、やろう!
まずはSmall Step. このブログで紹介していきたいと思います。そして、その対象は東京/日本人に限らず、世界中で出会ったひとや、日本の田舎で出会ったひとの話も伝えたい。
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Evelynは、アメリカのPinterestで出会った女の子。20代半ばと年下ではありますが、物凄くポジティブなパワーがあって、人一倍親切で明るい女の子。
仕事のあと、折り入って話を聞いたのが一年前。(やっと書ける・・・!涙)
フィリピン人の母の元にグアムで生まれた彼女は、若くしてお父さんを亡くし、高校のときまでお母さんと二人で家がなくて、ハワイのモーテルで暮らしていた時期もあるという。本人の言葉を借りれば「ホームレスに限りなく近かった」。
モーテルとは、アメリカの安いビジネスホテルみたいなもので、通常一部屋のみ。高校のとき、その小さな部屋にて、動画の作りかたを独学で学んだ。
大学に行くお金がなかったので、ビル&メリンダゲイツの奨学金に動画を使って応募したら、見事合格!これがすごい。
「どうせいくなら自分で学費を払えない、一番高いところに行こう」ということで、サンフランシスコ大学へ。その後、院までいき、Education Digital Mediaを勉強する。
卒業をし、フリーンラスとして動画作成&歌の仕事をしながらPinterestの契約社員の職を得ました。そして、去年晴れて正社員に。
彼女のことを、現代的なアメリカンドリームといってしまえばその通りだけれど、それだけではない。
彼女は、学生時代友達と、IT業界に抗議デモをしていました。横断幕を持って市議会の前にあつまる。会社の前に集まる、あの抗議デモ。
「給料をあげるだけじゃなくて、地域のことを考えろ」と。
学生時代社会的な活動に活発だった彼女が気づいたのは、「ホームレスは、IT会社のせいで、元々普通の人たちが生活できないような物価になって、あぶりだされている」ということです。
サンフランシスコ含むシリコンバレーは今、全米一物価が高いと言われている。それもそのはず、facebookやtwitter, Uber、airbnbやPinterestなど、IT企業がいいエンジニアをとるためにお給料をどんどん高くして、街全体の家賃/食費など生活費全般が大高騰。(私もレストランやホテルの価格に毎回ビビる)
大家にとっては家賃を沢山得られるほうがいいから、家賃をつりあげる。元々一部屋450ドルだった部屋が数年で倍になったとか。だから、それ以外の職種のひとにとってはたまったもんじゃない。「仕方なくあぶりだされて」ホームレスになった人がたくさんいます。
ただ就職して大人になると、この問題は簡単に解決できものではないとわかる。
IT社員だって悪意をもってるわけじゃない。むしろ善意で、毎日プロダクトを良くしようと協力し合っている。優秀なメンバーと働くことは、最高に楽しいし学べる!ただ複雑な気持ちも話してくれた。
「社員向けに”抗議デモがあるから、安全に気をつけて”というメールがきたときには、危険と思われているんだということがショックだった。」
「わたしはここで、平日3食無料のご飯を食べられる。外では、一食も食べられない人もいる。」
「市議会に抗議デモにいったときには、さすがにPinterestのロゴがついたニットキャップは外したよ。」
そこで彼女がとったアクションとは、新入社員研修にオフィスの近隣地域を見せてまわるツアーを人事とかけあって組みこんだこと。法務部の有志とそれを始めたと聞いたときには、ほんとにかっこいいと思った。
ちなみにオフィスがあるのはSFでもSoMaといわれる新興地域で、元々リッチなエリアではなかった。だからこそ地価が安いのでこういう会社が入って、結果的に安全になる傾向にある。近くにはtwitterやZinga, Airbnbもあります。
でも、いわゆる「お育ちのいい」「いい教育をうけてきた」高収入のIT社員達は、ホームレスの人たちを怖いと感じることが多いようです。
「ホームレスは無能だとか、努力していないとか言う人は多い。でもそうじゃなくて、わたしたちと同じひとたちなんです。だって、わたし自身もそっち側にいたんだから。道に座っている女のこは、わたしだったかもしれない。」