最近、ココシャネルの本を読んでいます。
まだ2冊で、まだまだ人物像を知り尽くしたというには程遠いんだけれどね。
彼女の意図の強さや時代を先取りして出すイノベーティブな商品や考え方、
恋人を「活かして」人間関係を広げていくしぶとさ、力強さ。
口が悪く、女友達は一人だけ。
こう聞くと、ラグジュアリーブランドの中でもひときわ変わった存在。
なかでも、一番わたしにとって知らなかったのは、シャネルがコピーに対してとっていた態度です。
アメリカで大量のコピー製品が出回りだしたころ、
他のブランドは規制を強くしようと出ます。
その中、シャネルだけは街でコピーされで売られる商品をみてタクシーをとめ、
手にふれ「やった!コピーされてるわ!」と喜んだそう。
もちろん、本物にはわざとマネできないような高級なものを使って、
それでもコピーされて大衆化することを好んだ。
マーケティング大国アメリカを愛していながら、一方でバカにしたと言われているそうです。
それは、シャネルが元々孤児であり、囲いの中で育った良家の子女というよりはどちらかというとストリートで育った事と関係があると言われています。
街で生まれた少女が大人になったときの商品は
街で生きる、そう思っていたのかもしれません。
シャネルの意図を知ってか知らずか、
私が去年旅した9カ国のほとんどでシャネルの商品は
アジアでも南米でも、たくさん出回っていました。
多くがコピー製品であることは、もう当たり前。
カトリックの孤児院で育ったシャネルには想像のつかないようなところまで。
マレーシアのイスラム女性が使うヒジャブまでシャネルのブローチがついています。
シャネルの商品はターゲットを選んでそれにあう商品を作っていったのではなくて
彼女自身が自分のニーズにあわせて作ったことが言われています。
例えば、有名なのはシャネル自身が動きやすくする為のジャージ素材。
本当のパールをバカにするような、イミテーションパール。
リップスティックを直すだけのために入れる、両手がフリーになるハンドバック。
リトルブラックドレスもそう。
それまでは男性の飾りものであった女性像にNOをいい、
ある意味彼女達をあざ笑うような、皮肉たっぷりの彼女。
戦前のフランスで話題となった、”働く自由な「ギャルソン」という女性像”を地でいき、自分にあうスタイルをどんどん出していったのです。
ってまあ、私が書かなくても有名すぎる話だなぁ。
こういうことをPARSONSの先生が話しはじめたときは、生徒達は「もう知ってるよ!」という反応をしたのを覚えてる。
日本では、皆どこまで知って買ってるのかわからないけれど。
最後まで独身を通しましたが、
50代まで20歳も以上年下の貴族や政府関係者と噂を絶やさなかったシャネル。
ブランドが愛され続けるって大変だと思うけれど、
その魂が商品に宿り、今も世界中の女性を魅了しているんだろうな。特に、フランスのように女性の平等地位に対して遅れているアジアや南米ほど、
シャネルに対しての渇望があるのかもしれない、、、、なんてね!
シャネルに対しての渇望があるのかもしれない、、、、なんてね!