きっと多くの女の子がそうであるように、私はずっと自分の顔が好きじゃなかった。
特にほっぺ。丸くて、肉厚で、笑うと前に出る。
小さい頃よく似ていると言われたのは不二家のペコちゃん。(ペコちゃんは好きだったけどね)
小学校の時横顔を描くという課題があり、ほっぺを薄く書いた。
中学高校の時は、顔の小さいカワイイ友達と比べて大きいほっぺが嫌で、プリクラでそう見えないようにするにはどうしたらいいか考えていた。
決して隠せなかったけど。
思春期を過ぎて成人し、別に自分の外見を四六時中気にしなくなっても、
ほっぺたはコンプレックス。
ついさっきも、ばったりあった方との写真をとったのに、ほっぺが大きすぎてアップできない程!!
ついさっきも、ばったりあった方との写真をとったのに、ほっぺが大きすぎてアップできない程!!
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数年程前のある日、ハワイ島で1週間ほど過ごした、友人が空港で私をピックアップしてくれることになっていた。
でも空港に友人の姿はなく、
メッセージによると「父と妹が迎えにきてるはず」とのこと。
間髪入れず、”Hi, you are Ami, right? ”と友人のお父さんと妹に話しかけられ、落ち合うことができた。
車の中で私は思わず、「わたしの写真をみていたの?よくわかったね」と聞いた。
「ううん、お姉ちゃんにいわれたの。”Amiは、ほっぺがぐっと上に上がった、大きな笑顔がチャーミングな子だからすぐわかる”って。ホントにすぐわかったよ!」
!!!!
このときのわたしの衝撃っていったら。
感動というか、なんというか。恐らく友人は私がほっぺを気にしてるなんてしらない。
でも、そんな言い方があるんだ!という発見だった。
感動というか、なんというか。恐らく友人は私がほっぺを気にしてるなんてしらない。
でも、そんな言い方があるんだ!という発見だった。
ローカルは滅多に来ない、ワイキキにて |
友人たちとウクレレでパーティ |
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こんな話を思い出したのは、先週末にみたドキュメンタリー映画のせい。
彼女は20世紀のファッションシーンを牛耳った。
今や超有名人/アナウィンターの前にVogueの編集長、Diana.「世界で最も古い歴史を持つ「ハーパース・バザー」で1940年代、50年代にカリスマ・エディターとして25年間に亘って活躍し同誌の黄金期を築き上げた。
1962年にはライバル誌である「ヴォーグ」に移籍し編集長として輝く才能を次々と世に送り出した。
70歳で世界最大規模を誇るメトロポリタン美術館衣装研究所の顧問に就任、常識を越えた衝撃的な衣装展を数多く成功させたファッション界の女帝。」
(ウェブサイトより)
ココシャネルと仲が良かった彼女。
普通に主婦をしていただけなのに、ダンスをしていたときの着こなしのよさでハーパーズのファッション編集にスカウトされたという。
あのケネディが就任した時、ファーストレディジャッキーオーの服を選んだり、
アンディウォーホールが崇拝していたり、
ジャックニコラスと仲が良かったり。
ツイッギーを発掘して有名にしたのも、ミックジャガーを発掘したのも、彼女。
なんて華やかな人間関係!
経歴について詳しくはこちら
でも、私が一番彼女を尊敬したのが、
彼女がモデルを選んだときに一般的にいう外見の美しさではなく、中身の芯の強さを見抜き、短所を目立たせて人気者にさせたということ。
長い鼻のモデルには、横顔を撮らせ、鼻の長さを強調するようなエジプトのスフィンクスのマネをさせた。
平坦の顔の女性や、幅の広い顔の女性も、
それを目立たせて「新たなルック」を作っていき、人気モデルを次々と生み出した。
太平洋戦争の前、女性のファッション紙はどうやったら男性に気に入られるかを書いていたのが、
彼女により、「どうやったらファションを、女性としての人生を楽しませるか」によりかわっていったという。
今ある「美」のかたちにとらわれず、そのひとの特徴的な部分を目立たせる手法は
きっと彼女自身特徴的な鼻のせいで母親に美しいといわれたことがない、そのコンプレックスからの脱却なんじゃないかな(これは私の憶測です)。
私も、母は目が大きく”いわゆる美人”なので、
「似てない!」「あみちゃんのお母さんって、美人!(意外に)」といわれることがスゴく多かった。もう慣れたけれど。
それでもうちの母は愛してくれたけれど、女性として母親にそれを否定されたときに、自信を回復するには相当の時間と労力がかかると思う。
きっと彼女はそれを自分の力でやってみせたひとだった。
幸い、ダイアナは自分のことを美しいといってくれるハンサムな旦那様に出会い、
「いつまでもはにかむ」、「帰ってくるときには綺麗で居なきゃと思う」関係だったらしい。
仕事で、いつも鬼に用に働いていていた彼女は紙面上では人を輝かせた。
帰ったら、きっと旦那様を輝かせた。
帰ったら、きっと旦那様を輝かせた。
晩年、雑誌編集を離れても美術館をファッションミュージアムのようにしてしまう彼女のパワーには圧倒される。
彼女は歴史上の事実を忠実に展示することよりも、「人の目にはそう見えた」「こんな印象の時代だった」ことを強調した。
「ファンタジーと揶揄されても、それが私にとっての現実。
歴史も現在も、結局どう自分に見えるかが現実なのよ:とダイアナ。
あなたは、そう言いきれる?
世間基準の綺麗さにとらわれず、そのひとの芯をみて良さを褒められる、伸ばせる人に、わたしもなりたい。
世間基準の綺麗さにとらわれず、そのひとの芯をみて良さを褒められる、伸ばせる人に、わたしもなりたい。
来場者は業界の人ばっかりだったなあ笑
絶賛上映中、もう少しで終わってしまうと思うから、急いで!
絶賛上映中、もう少しで終わってしまうと思うから、急いで!