コミュニティコンサルタント・トラベルブロガーの松澤亜美です。
(ロンドン出張とともにオランダに初めて行ってきました。第1回、オランダのドラッグと性産業についてはこちら。)
今回はアムステルダムとロンドンということで、あまり食に期待はしていなかった。
去年末、ドイツに行った際にこちらの投稿にも詳しく書いたけれど、アングロサクソン系の国では食べ物の美味しさは日本ほど重要じゃない。
オランダの食事で気づいたことをいくつか書いていきます。
材料を生かしたシンプルな食べ物が美味しい
初日の夜に食べて、あれ意外と美味しい!と思ったのは、シーフードレストラン。
おしゃれで外の席でみんな食べてました。
海外で生の海産物はあまり期待しない私ですが美味しかった(日本の海産物は特別美味しいと思っているから)!
Amsterdam:The Seafood Bar
街にはたくさんチーズ専門店があり、ここでチーズも本当に美味しかったなあ。
そして、カフェなどで頼むサラダやお肉も普通に美味しいんです。
でも、特に何か変わった料理法がどう、とかではない。とにかくシンプル。
調べてみたらオランダは世界有数の農業国。
日本の何分のいちなのに、世界でも指折りなんです。
前回も話にでてきたオランダ在住の友達曰く、「オランダ人は農業エンジニアリングにものすごく強い」。
一つひとつの野菜の味がしっかりしたサラダを食べながら、妙に納得してしまいました。
バリエーションが少ない
私たちは四晩滞在したのですが、二日目、三日目くらいで食べたい料理を食べ尽くしてしまいました。
もちろん勉強不足ということもあるでしょうが、いくつかのウェブサイトで「オランダで食べるべき料理やストリートフード」をみていたのですが、2-3日間で食べたいものは網羅できてしまったんです。
これ、結構他の国だと珍しくて。
特に日本だと、例えば富山とか北海道とか、宮崎とかいった時に、全料理食べきれないんですよね。限界まで食べたとしても。
どういうことかというと、材料重視でシンプル、つまり日本ほどあまり素材を料理(加工)しないということです。
女性が朝6時からお弁当を作る、みたいなことや、母の料理が一番というような認識も低い。
*この記事に書きましたが、ラテンやアジア、女性の地位が今も低い国は、ご飯が美味しいというのが私の持論です。もちろん地理も関係するけどね。
メニューどこ行っても同じで少ないなと思っていたら、日本のTwitterまとめ(Togetter)でこんなの見つけました。
・ドイツ人「日本人は毎日違う料理を食べるから疲れる」
・日本人「ドイツ人は毎日同じもの食べるすぎるから疲れる」
日本人は品数もバリエーションが多いのが良いと考えてますが、所変わればそうじゃないのが面白いですよね。
サービス精神やサーバーの人は平等であり、サービスのお仕事にも笑顔は期待しない
大前提として、従業員とお客さんは平等という認識が強いです。
だから日本みたいに、従業員に対して偉そうにする人もいなければ、お客さんに対してものすごく丁寧ということもあまりない。
これはドイツ人もそうですが、オランダ人やドイツ人にとっては「嘘の笑顔をするよりも、心そのままの表情を見せるべし。その方が丁寧」なんだそうです。
だから例えば、自転車屋さんのおじさんは”How are you? ”と言われた時に無表情で”Such a Bad day”といっていた。笑
次誰かな?みたいな時に質問する時にも”who is next”. と真顔で言う。
日本やアメリカだったら、いやそこはサービス精神出して笑顔で言うよね、と言うシーンでもだいたい真顔。
ホテルでも、ここオランダなのに「僕オランダ話せなくて」と堂々と言う人もいました。笑
↓アムステルダムは自転車でどこでもいけちゃうよ!みんな運河横に止めまくっているのでどこ歩いても自転車だらけ
これはAdidas時代に学んだことですが、えらい上司が苦手な料理をおごってくれた時に、
・「美味しい」と全部食べるのが日本人
・「ありがとう」といって少し手をつけて残すのがアメリカ人
・「これ嫌いです」と全く手をつけないのがドイツ人、そしてオランダ人。
文化によって、何が「Polite(丁寧)」かが垣間見えて面白いですね。
わたしの仮説「食が丁寧で献立が多い国ほど、女性の社会的進出は遅い」は結構合ってるかも
今回はFacebookのお仕事でロンドンに行ってたのですが、グループを見ていて気づいたことがあります。
それはラテン・アジア・中東など「ご飯がおいしい国に女性支援・ママグループが多い」と言うことです。
おそらく、女性の働く立場がまだあまり強くないので、支援が必要。女性のスタートアップ進出が少ない、一度子供を産むと職場に戻れないとか、シングルマザー同士が支え合うグループは、圧倒的にこのラテン・アジア・中東に多いんですよね。
社会的進出が遅い分、家庭での料理時間は圧倒的に長い。つまりいろんな献立も生まれるわけです。
もっともっと検証の余地はありますが、今のところこの仮説は結構正しいんじゃないかと思ってます。
だから女性が社会進出しよう!と言いながら、毎日たくさんの献立考えながら一日30品目栄養のあるものを食べる、と言うのは、ほぼ両立しない、気がする。
『一汁一菜でよいという提案』の著者であり料理研究家の土井善晴さんが、日本の家庭料理について、「高度経済成長期に専業主婦がアメリカの冷蔵庫を見て豊かさの象徴だと思った、それで献立が増えた」と書いてあります。
その時期に豊かになった日本の家庭料理。そして一方女性の社会進出率は低いままで、多くの東南アジアの国にも抜かれてしまっているわけです。(参考:マスターカード調査)
まさにトレードオフですな。
以上、オランダの食とサービスから見えたことでした。
美味しい美味しくないだけではなくて、その裏を考え始めるとめちゃ楽しいよね!