お仕事をきかれたとき、
「今、メインはJAPAN FASHION WEEKで働いてます」と答えます。
すると日本人の半数は、
「ん??なにそれ?TOKYO GIRLS COLLECTION的な??」
と聞きます。それに対して私は、
「うーん、それはどちらかというとB to Cで、
コレクションショーはB to Bなの。
パリコレとか、ミラノコレクションとかの、東京版。」
と答えます。
みんな、「ふーん!」とか、「はーん!」とかわかったようなわかっていないような
反応をしてくれます(笑)
(ちなみに外国人は大体「へー!すごいね、なかなか入れない世界!」という反応。)
そこで、ついにMercedez Benz Fashion Week Tokyoが始まる前日ですが、
去年のParsons the new design schoolで習った内容と、
この数ヶ月間運営に関わってきて得た少ない知識と実体験をかけあわせて
まとめてみようと思います。
BtoCのファッションショー
TOKYO GIRLS COLLECTIONやTOKYO RUNWAY, KOBE COLLECTIONなど。
-入場有料(一般公開)
-お客は国内の女の子達
-出演者は有名人や雑誌のモデル
-デザイナーはあまりフィーチャーされず、アパレル会社が行なう
-基本的にお客は半日または一日ステイし、その間に様々なガールズ向け商品のサンプル配布などを行う
-コレクション内容はそのシーズンの物
例:2013年3月だったら、2013 Spring Summer Collection。
-世界では珍しい(おそらく、日本特有?)
-音楽ライブなども行い、エンターテイメントショーの要素が強い
-ファッション以外の企業プロモーションにも利用される
いわゆる「リアルクローズ」という手に届く毎日着れる服を
雑誌で活躍するモデルやTVの芸能人に着せて
ショーのようなかたちでランウェイを歩かせるもの。
既に店頭に並んでいるもの、または並ぶ予定のものをモデルに着せるので、
企業としては「即効性」を期待してます。
実はこのBtoCのランウェイショーはあまり古くなく、2000年代に神戸で始まった神戸コレクションが始まり。
私の記憶では、日経ウーマンでTOKYO GIRLS COLLECTIONディレクターが賞をとった2005年頃?から、かなり一般に認識が広がっていった覚えがあります。
そして世界にも広がっており、現在は上海でもTOKYO GIRLS COLLECTIONを行っているとか。
対して
BtoBのコレクションショー
FASHION WEEK /Collection Show
-入場無料
-お客様は世界中の百科店、セレクトショップ、専門店のバイヤーや、プレス。
(一般のお客様は通常招待状が必要)
-出演者はWALKINGなどもトレーニングされたコレクションモデル。
-デザイナーが主体的にコレクション内容を決める
-一つ一つのショーでお客が入れ替わる。一回のショーは大抵30分もない。
-ロンドン、ミラノ、パリ、ニューヨークという世界のファッションウィークと連動している。時期がかぶらないように。(順不同)
-コレクション内容は翌シーズンの物
例:2013年3月だったら、2013 Autumn Winter Collection。
理由としては、そこで買付けが決まった後に生産し、シッピングしないといけないから。まだ服は縫製もシッピングも終わっておらず、「クリエーション」の段階なのです。
上手く言葉にいえないけれど、エンターテイメントではなく「クリエイション」を目的にしてる。
だから、マス受けするものというよりは
「これ!」と光るアパレルのバイヤーさんが買いたくなるようなブランドが多い。
出展するにはお金も、時間も、労力もすごくかかる。
服をつくるためにコンセプト、生地、色、縫製場所をきめるだけではなく、、
音楽を決め、モデルを決め、メイクをきめ、メイクしてくれる会社を決め、PR方法を決め、全てを一つ一つテストしてしながら行う。
プレスを呼び、有名な顧客を呼び、ブロガーを呼び、
世界中にアピールする為に必死なのです。
このコレクションショーをやるのには出展者のお金だけでは足りず、
莫大なお金が必要です。
昔は経産省が出してくれていたのですが事業仕分けをされて補助金がなくなり、
今はメルセデスベンツを始めとした企業がスポンサーとなってくれている、というわけです。
(ご存知の通りまた政権が変わり、クールジャパン担当事業が大きくなっていっているようです。経産省の先輩によると、そこに関する法も閣議決定されたんだとか!)
余談ですが、コレクションショーの歴史を調べてみた。
パリコレはベルエポックと呼ばれた1910年頃にスタートしたらしい。
ちなみに、その頃はオートクチュールが中心だったそう。
今ではパリコレと言えば、基本的にプレタポルテ(既製服)だけどね☆
そして話は戻りまして。明日から始まるのはその後者ってわけ。
FASHION WEEK TOKYOでは特に若いデザイナーさん達が世界に出て行くことを応援しているので、
大きな有名なデザイナーよりも「知らない」ブランドがある。
わたしも去年は「あんまり知らない、、、(恥ずかしい)」と思ってたけれど、
知らなくても大丈夫ですよ^^
日本は世界の中でも安全な国で
変わった服をきていても悪目立ちして攻撃される危険なんてないため、
自由な服を着れる環境にあります。
クリエーションの世界では日本ならではの、かなり斬新な服が提案されているのです。
そして以前ブログの記事[ガガも大好きChristian Dadaの2013 S/S Collectionへ : Gaga likes Dada]でも書いたけれど、
今ではLADY GAGAみたいな世界のセレブリティに愛されるブランドへと成長していっているのです。
そこの根っこにはデザイナーなりのフィロソフィーがあります。
(招待オンリーではありますが)もし皆さんが見ることがあったら
ぜひデザイナーの”思い”を感じて下さいね。
一般公開もしている、コレクションショー Versus Tokyoはこちら