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最近よく言われる消費を敢えてしない若者たち。その一例になるかもしれない、でも「質の高い」生き方が、飛騨高山近くにありました。
仲良しであり、先輩であり、わたしの主催するLunchTripのトーゴ便ガイドも努めてくれた藤沢実果さんの家に泊まらせていただきました。
(実果さんの移住顛末記はこちらをご覧ください。さすが世界二周したみかさん、決断力がある。すごく面白いよ!)
“ここ飛騨には物々交換の経済が残っているんです”と前にみかさんが書いていたけれど、本当だった。Shareという本が数年前流行ったけれども、この町ではその本が流行る必要がないくらい。Shareが当たり前だから。
町を十分も歩けば通りかかるかた殆どが知り合い。寄ってって、と言われたり、こんにちはーと自分から声をかけてお喋りをはじめる。
この前はありがとうー、そういいながらおかずを頂いたり、お土産を買えばその御代以上のおまけをいただいたり。怪我をしたら町中総出で介抱とお見舞いしてくださったそうです。
こういうのって、田舎なら何処でもそうなのかしら?わたしは都会またはその近郊を転々として生きてきたので、この「町全体でシェア」を経験していないだけなのかしら?(社宅でシェア、というのはあったけれど。)
とりあえず滞在した二日間で別々の方にいただいたものを思い出すと、獲れたて野菜3種、焼きたてお煎餅、ほうば、自分で漬けた梅酒、ころいも(地域料理)。
ついでに、山グッズ一式、車、部屋と大層なものをお借りしてしまっている。
「ここでは大金を稼ぐことはできないけれど、お金をあまり必要としないでシンプルで丁寧な質のいい生活ができる」とみかさんは言います。
ここの人達は本当にいいものが何かわかってるんだよ、とも。
面白い事に、滞在のたった二日で、東京から移住してきたという20-30代の方に何人も会いました。
みなインテリで長期海外滞在経験があり、facebookを使いこなす。田舎だからmixiということはありませんでした。外資系コンサル、環境企業、外資系食品企業。でも、それよりこの町を選んでる。
都会から田舎へのこういう移住の事をIターンと呼ぶと知りました。
もちろん、移住した理由は皆様々。けれど最終的にはこの町が好きだから。生まれ育った場所というより、この町が好きという理由で選択したのです。
飛騨のIターンの代表格である、白石さんは言っていました。
「赤坂で終電前まで働いて朝まで飲むという生活をしていた時に、あれ?なんでこんな消費してるんだろう?なんのための消費?と思ってしまった。お酒を飲んで騒ぐのは大好き、でももっと生活の質を上げたい」と。
この生活の質というのがこの町でのキーワードだと思う。白石さんはその前にもカンボジア/アメリカで働いたり、ヨーロッパを旅したり、木こりしたりと面白い職歴を持っている方ですが、色々な職を通したあとに27歳で求めたのは、シンプルで丁寧な暮らしだったのです。
「赤坂で終電前まで働いて朝まで飲むという生活をしていた時に、あれ?なんでこんな消費してるんだろう?なんのための消費?と思ってしまった。お酒を飲んで騒ぐのは大好き、でももっと生活の質を上げたい」と。
この生活の質というのがこの町でのキーワードだと思う。白石さんはその前にもカンボジア/アメリカで働いたり、ヨーロッパを旅したり、木こりしたりと面白い職歴を持っている方ですが、色々な職を通したあとに27歳で求めたのは、シンプルで丁寧な暮らしだったのです。
「あみちゃん、東京に疲れたらいつでも来ていいからね。どれだけいてもいいんだよ。ここの人達は暖かいから。」
暖かい言葉、とっても嬉しかった。
と同時に私は東京に疲れているのか自問しました。都市近郊で育ってきた私には「東京に疲れる」という感覚があまりなかったので。
でも、東京に無意識に存在する「都会中心」「満員電車」「見栄の張り合い」「キャリアやステータス重視」「お給料張り合い」そういったものが東京の象徴だってこともよくわかってて、確かにそれに嫌気がさす時はある。
浄化したい時に来る、わたしはと言いました。
ここにくると嫌なものが流されるような気がするから。
飛騨で会ったIターンの方の特性をキーワードであげれば「海外、IT強い、企業勤務」と、私が4年前から開いているLunchTripにくるPassengers(参加者)の特性にも少し似ています。
もしかすると今東京で海外とやりとりしているPassengersたちの何人かは、白石さんのように将来こうして日本の田舎の深い部分を外国人に伝える、という役割を持つことになるかもしれない。それってすごく面白いなぁと思うんです。
消費に関して。
みかさんは、モノをひとつ買う時には徹底的に調べ、要るか要らないかを判断して購入するといいます。
一つ一つ無駄遣いしない。これは決してケチを意味しているわけではなくて、本当に必要なものにお金を出すことを徹底している。
彼女はハイヒールを履かないし、ベルトをしないし、自然体なものが好きなひとです。
でも、山ガールとも森ガールとも近いけれど少し違う。
じゃあ、そのひとたちにとって本当にいいもの、いい服って、なに?
みかさんがPass the batonの袋を出した瞬間に、あ!ぴったりだと思いました。飛騨で出会った複数の方がその袋をもっていたのです。
Pass the batonとはSoup the stock tokyoの株式会社スマイルズが経営する古着屋さん。
表参道ヒルズの地下にはいったセレクトショップで、服一つ一つにまつわる「文化」をバトンのように渡していこう、という意味がこめられています。
Pass the batonとはSoup the stock tokyoの株式会社スマイルズが経営する古着屋さん。
表参道ヒルズの地下にはいったセレクトショップで、服一つ一つにまつわる「文化」をバトンのように渡していこう、という意味がこめられています。
”出品物は写真だけで紹介されるのではなく、出品者のお顔写真とプロフィール、そして、ものに関するエピソードもあわせて紹介されます。出品物が売れた場合、その売り上げの一部を寄付としてチャリティーに回すこともできます!
また、みかさんはPatagoniaの服もたくさん持っていました。
Patagoniaといえば早くから持続可能な社会を提唱しているアウトドア用品店として有名で、実際に環境問題への取り組みも行っている。
Patagoniaといえば早くから持続可能な社会を提唱しているアウトドア用品店として有名で、実際に環境問題への取り組みも行っている。
サステイナブルな購入の仕方が生活に根付いている、といったら陳腐かしら。
でも、わたしがあった飛騨のIターンズの方は、表面的な価値判断だけでなく、お店に来るまでの過程をきちんと考えて購入していることが特徴だと思いました。
でも、わたしがあった飛騨のIターンズの方は、表面的な価値判断だけでなく、お店に来るまでの過程をきちんと考えて購入していることが特徴だと思いました。
Iターンズの方達に対しては、消費者と呼ぶことにさえ抵抗を感じる。
彼らは「選択者」なのです。
自分たちの住む場所、買うもの、すべて深く読んで選択しているから。
単に消費という言葉は、もう似合わない。
彼らは「選択者」なのです。
自分たちの住む場所、買うもの、すべて深く読んで選択しているから。
単に消費という言葉は、もう似合わない。
P.S.
この話をすると「あみも、そうなりたいの?」と聞かれます。
私にとっては….都会にいくのも田舎にいくのもどっちも気持ちいいのです。
東京の私立女子高時代の同級生たちは、「田舎に住むなんてありえない!」と言います。
わたしにとっては…ありえなくはない。
田舎に行ったら行ったで楽しめるような気がします。価値観がぐにゃぐにゃです。
田舎に行ったら行ったで楽しめるような気がします。価値観がぐにゃぐにゃです。
ドレスを着飾りペニンシュラの最上階と遊び、男の子にシャンパンをおごってもらった翌週に、飛騨の小さな町で手作り梅酒にあう手作りコロッケを作って食べる事をすごーく幸せに感じたりしてしまうのです。
どっちの私も、わたしです。
どっちの私も、わたしです。
きっともう一つIターンの方々に共通する事を言えば、彼ら彼女達は既に都会生活を全うしたんだと思うんです。やりきったって感じ。
私は、まだまだ、やりきれてない。
まだまだだー。
まだまだだー。