少し前に「海外サイトが紹介した 理解できない日本の変なファッション10選」というリンクをみつけました。中身は、スケバン、タケノコ族、ヤンキー、コギャル、マンバ、キグルミン、ロリータ、デコラちゃん。
うーん、確かに私もあんまり着たことない。
でも、こういった「理解できない」ものが実は世界にウケてるんだ!ガラパゴス化していくべきだ!という本を読みました。
櫻井孝昌著「ガラパゴス化のススメ〜日本は「アニメ*ファッション=カワイイ」で勝ち残る」です。同著者の本を読むのは、「世界カワイイ革命〜なぜ彼女たちは「日本人になりたい」と叫ぶのか〜」に続いて2冊目。
面白かった。
面白かった。
この本の感想と、わたしなりの意見を書いてみます。
著者のいうカワイイは、前回のエントリーに書いた日本人にとってのカワイイだけではない。世界の人が見た「カワイイ」を意識したもの。
まず、著者はもともとコンテンツメディアプロデューサーであり、ファッション業界からこのカワイイ旋風を見ているわけではない方です。「アニメ文化外交」という本を書いたり、「世界コスプレサミット」エグゼクティブアドバイザーを勤めたり、コンテンツとしてのファッションの流れについて書いてあります。
この本のタイトルにある「ファッション」とは、ロリータ/パンク/ゴシック/ビジュアル系/制服/ギャルのこと。コムデギャルソンのようなハイブランドや、ルミネに売っている一般向け女子のスタイルのことを想像して読むと、少し違います。(元々ファッションって定義が広いしね。)
「日本は大好き、電化製品は韓国」
この台詞シーンは、2冊に共通して何度もでてくる。世界の日本大好きな女の子達は家の中も鞄の中も全て日本のもので揃えたい!というハードコアぶりだ。でも、実際テレビやパソコンは全て韓国製だ、というレポート。
これは私自身がパリに行ってもミラノにいっても、実際そうだった。たった5年前までは日本製品だったテレビ、携帯、パソコン、そして車までも多くのものが韓国製に変わっている。これは著者や私に限らず海外に出た多くの人がみる現実だと思う。日本の中では日本製品が当たり前のように主流として使われているから現実を目の前にして驚いてしまう。
著者のガラパゴス論
先ほどの韓国製の下りのあと、下記の論に展開し、主題を説明している。
世界の若者が日本のアニメをなぜ圧倒的に支持したか。世界のファッションデザイナーが、なぜインスピレーションの源を求めて原宿のストリートを歩くのか。
答えは簡単である。
日本のアニメや原宿を歩く若者達のファッションが、オリジナルで世界のどこにもないものだからだ。ガラパゴス化のススメ。私は、日本経済が進むべき道はむしろそこだと考えている。
率直に言って、最初わたしはこの文章にしっくりきませんでした。
ここでいうガラパゴス化とは、なんなのだろう?
ここでいうガラパゴス化とは、なんなのだろう?
ガラパゴス化をWikipediaを検索すると。
孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)が高い外来種が導入されると最終的に淘汰される危険がある
つまりWikipediaでは、淘汰される危険も含めて「ガラパゴス化」といっている。
著者は別の章ではロリータファッションのBABY, The STARS SHINE BRIGHT(下妻物語で深田恭子が着るあの服!)の礒部明徳社長の言葉を載せている。
「可愛い服が売れないからと、あのときロリータファッションを作るのを辞めていたらロリータファッションは終わっていたかもしれません。あのとき、お客さんとスタッフでロリータの明かりを消さずに必死に守った事が今に繋がっているんです」
そして、世界にロリータが羽ばたいた話へと続く。ふーむ。
おそらく、著者の意味するガラパゴスの意味はWikipediaとは少し違って、危機の部分はなく「独自の文化を突き通して差別化する」ことを言っている。
BABYのデザイナーが、売れなくても好きなものを作り続けたこと。これは日本市場で最適化したわけでもないし、そのあと脅かされる危険性があったわけではない。
だから、この主張はガラパゴス化の意味は少しwikipediaとは違うみたい。
全体として、日本ガラパゴスといわれているけれど自信持ちましょう、変わっていると思われているOtaku文化も外交上は重要だよ。そんなメッセージが伝わってきます。
全体として、日本ガラパゴスといわれているけれど自信持ちましょう、変わっていると思われているOtaku文化も外交上は重要だよ。そんなメッセージが伝わってきます。
実際わたしも、この日本のマイノリティ(少数派)ファッションを自信をもって出していくべ気だと思っています。
でもそれは、「待ってるひとたちがいるんだから機会損失しないで売り出していこう!」という意味というよりは、
日本でさえ一般受けしないマイノリティファッションのほうが、新たなトレンドを作る可能性が高いという点で、出していくべきだと思っています。最初に変なもの、理解されないものはグループとなり、目立ち、それを受け入れるのがいつのまにかかっこよくなる。
日本でさえ一般受けしないマイノリティファッションのほうが、新たなトレンドを作る可能性が高いという点で、出していくべきだと思っています。最初に変なもの、理解されないものはグループとなり、目立ち、それを受け入れるのがいつのまにかかっこよくなる。
わかりやすいところでいえば、タトゥー。
最初はもちろん囚人に番号をうつための道具だった。それがダーティでクールなイメージとなり、今では似せタトゥを入れる事も当たり前。
スタッズも。今流行っているジェフリーキャベルはスタッズのスタッズがついてて有名だし、Ke$haだけでなくみんな愛用してる。そのスタッズはどこから着たか?
パンクロックのひとたち。パンクロックはなんで流行った?80年代にイギリスの経済がとっても悪かったとき、労働者層の10代の若者達が着た事。反社会を象徴してた。それが部分的に残ったのです。
パンクロックのひとたち。パンクロックはなんで流行った?80年代にイギリスの経済がとっても悪かったとき、労働者層の10代の若者達が着た事。反社会を象徴してた。それが部分的に残ったのです。
チェーンネックレスがブームだけれど、その元々の意味はなんだろうとか、そういうのを考えていくのが私は大好き。
繰り返しになりますが、いつもファッションピープルの中心がトレンドを作るとは限らない。それよりも、周りのマイノリティグループがトレンドのきっかけになる事が、ある!
そういうトレンドの刺激になるマイノリティグループが原宿にはたくさんあるからこそ、世界中のデザイナーがインスピレーションを求めて見に来る。
マイノリティファッションについて上手なプロモーションをすることは意味があると思う。
「原宿はインスピレーションに溢れてるの!」
デザイナーがこういうのは、ただ変なものを見たいのではなくて、ただそのロリータファッションそのものを着てみたいだけではない。それがもしかしたら次のトレンドのきっかけになるかもしれないから。ロリータもギャルもビジュアル系も、世界中にファンがいる。
だから、それをきちんと日本のものとして整備して、コンテンツで売っていくことは必要だと思います。
更に、「トレンドが作られるその上流工程にいる」ということを意識してアピールしていくと、もっと面白いことが起るのではないかな、と私自身は思うのです。
デザイナーがこういうのは、ただ変なものを見たいのではなくて、ただそのロリータファッションそのものを着てみたいだけではない。それがもしかしたら次のトレンドのきっかけになるかもしれないから。ロリータもギャルもビジュアル系も、世界中にファンがいる。
だから、それをきちんと日本のものとして整備して、コンテンツで売っていくことは必要だと思います。
更に、「トレンドが作られるその上流工程にいる」ということを意識してアピールしていくと、もっと面白いことが起るのではないかな、と私自身は思うのです。