今、私の大好きなもの。それは、The Greatest Showmanと言う映画です。
私は映画をそこまでしょっちゅう見るわけではないのですが、なんとなく「SNSでみんな絶賛してたな」というところから、これを見たいと言いました。誰が強く推してた、と記憶が強くあったわけではないのに、5−6回なんとなくいいと言うのを見ていて、見たくなったと思う。
見始めるまでミュージカルだと知らなかったくらい笑、気軽に見たのですが何の気なしにみて、ハマった。
出てくる音楽がとにかくすごくいい。映画見ながら拍手喝采したくなる。
ストーリーは、米国で初めてサーカスを作ったP・T・バーナム氏がビジネスで駆けあがるので、典型的なアメリカン・ドリームではあるのですが、常にドキドキする。私は歴史ものだということもミュージカルということも知らずに見始めたけれど、その世界観にすぐハマった。ものすごく楽しめた。
サーカスと言うエンタメを作ったと言うのは素晴らしいけれど、正直これは今の時代だったら批判して一瞬でシャットダウンされるだろう。変わった人間を見世物なんて、見ていてもそんなに気持ち良いものではない。もちろん新しいエンタメビジネスを作ったこと自体が素晴らしいし、映画では彼が「変わり者に居場所を作った」と言っていた。実際それもあったのかもしれない。
(ウィキペディアによれば、P.T.バーナムさんは、黒人の老婆を170歳だと言って見世物にし、最初の財を成したそう。実際は60代だったとか!)
でもこれが200年前と思えば理解できる。日本でいう江戸時代後期だもんね。バーナム氏の駆け上る野心にドキドキハラハラするので、ただのラブ&ピースなミュージカルだと苦手だという男性でも、楽しめると思います。
それより何より、音楽。見ていて高揚感がすごくあって、なんか初めて聞くのにもうぐわああああって上がってくるような音楽に何度も圧倒された。これは映画館で見た方がいい!
La La Land よりも、圧倒的にこっちのほうがよかった。
代表曲This is Meは、蔑まれ続けていた登場人物が、自分に自信を持って進むまでの曲。
「私たちの誰もが自分に自信がないところがある。それで嫌な言葉を言われることもあるけれど、打ちのめされても勇気を持って自分が生まれた人生を進むから!」という決意にあふれた歌詞。
アナ雪のエルサとか、オペラ座の怪人の怪人とかを思い出させる。常に人に否定され、親にも怖がられた自分を、前に進ませるための自己肯定の曲。
素晴らしい歌詞だけじゃなくて、この髭面の女性がすごすぎる。後から調べたら今年のオスカーでも歌ってた。
世界中で「踊って見た」動画を作る戦略的マーケティング
見終わってから5日間経ちますが、もうこの音楽が頭の中から消えなくてね、今週仕事中もずーっとyoutubeで聞いてるんですが、すごいことに気づいた。
これ、劇中の曲をカバーされることを前提にプロモーションされてる。
つまり自分たちでプロモーションするだけではなく、映画見た人や曲を好きになった人、ダンスを真似したい人が真似しやすいようにマーケティングされてる。だって、自分たちが販促するだけよりも、一般の人やインフルエンサーが「踊ってみた」動画を出した方が、ずっと大きな販促になるからね。
Youtubeの性質やコミュニティをすごく理解してるマーケティングだなと思った。
まず、オフィシャルチャネルで、代表曲This is Meの歌詞付きの動画がある。
だいたいこういうのは非公式なチャネルが行うことが多いので、これだけで[お!]と思った。
そしてオフィシャルチャネルでダンスのチュートリアルを載せてる。初心者でもわかりやすくかなり細かい。いいよね。
これは日本語訳ですが、各国の20thFOX Youtubeチャネルで翻訳されてるみたい。
そして、ティザーとして各国オフィシャルのYoutubeチャネルで、たくさんカバーさせてる。
日本だったらバブルダンスで有名になった登美岡高校ダンス部。すごく良い。登美岡高校ダンス部のファンのコミュニティを「獲得」しに行ってる。
吉本の芸人にも踊らせてたけれど、圧倒的に登美岡高校ダンス部の方が良かった。そりゃそうか。笑
UKは、突然街で歌い出す動画。ちなみにイタリアはインフルエンサー十名くらいに歌わせてた。各国のエージェンシーと一緒に動いたんだろうな。
公式チャネルがこうやって発信するから、みんな真似していいんだ!となって、世界中で真似されてる。
私が感動したのは、昨年末のこのドイツ人のアーティスト。本当に髭面の女性なんです!!
ちなみに、コメント欄を見るとどれも本当に好意的なコメントしかない。この歌手Kealaは、マツコデラックスのような体型なので、日本だったらyoutubeのコメント欄はひどいことかかれそうだけれど、一つも見受けられなかった。多分体型のせいで実際心無い言葉を言われることも多かったんだろう、と勝手に想像する。だから、この曲が本当に彼女が作ったんじゃないかと思われるほど(実際には、キャストが決まる前にできてた曲だったとHuge Jackmanが言ってた)リアルだった。
他の曲も全部すごくいいから見て欲しい。本当に見て欲しい。
私はここ5日くらいで、登場人物の役者さんとか、彼らの過去の作品とか、何ならサーカスの歴史とかどんどん調べて、詳しくなってきました。主役のヒュー・ジャックマンや、ザックエフロンでさえも、そこまで知らなかったけれど、この一週間でインスタもフォローしたし、一気に親近感w
頭の中でもずっとこの曲かかっていて、口ずさんでいます。
だから私、偶然なんとなく見てどハマりしてるんですが、その「なんとなく」を作ったのもやっぱりマーケティング。
おそらく、事前に無意識のうちにこの音楽を聴いていて、なんとなくソーシャルでみんなが絶賛するのを流し見していて、その流れで私は見にいった、というね。
うまいマーケティングすぎて其れに載せられてる自分にもあんぐりですよ。
でも載せられてもハッピー!