(もう12月に入ってしまったけども。今日は暖かったし、11月半ばに書いた文章だから許してね)
秋は、日本中のひとにとって切ない季節なんじゃないかと思う。
少なくともわたしにとっては、そうだ。一番大好きで、かつ無意味に切ない季節だ。
夏のうだるような暑さから一変、五感が敏感になっていく。
(↑草津)
夏のあっつくて外に出るのも嫌だった季節から、夜風のすっとした涼気が流れるとき。
きんもくせいの匂いがするとき。
暑くも寒くないちょうどいい気温で、このままでいてほしいと思うとき。
交差点で自転車を止めた際、足元に葉っぱが落ちはじめたとき。
イチョウの葉が色づいてきたとき。
シチューの匂いが窓からするとき。
道の落ち葉が絨毯になっていて、はっとするほど美しいとき。
暖かいものを飲みたくなるとき。
スターバックスでクリスマスのカップが始まったとき。(ハロウィンあと)
羽織カーディガンがだんだん分厚くなり、ジャケットになり、そしてコートへと短期間でどんどん変わっていくとき。
自転車に乗る手にあたる空気がひんやりとしてきて、そろそろ手袋がほしくなるとき。
そんなとき、いつもは思い出さないすんごーく昔の恋愛の瞬間が、ふっと、わたしの頭を風のようにふっと0.01秒くらい瞬間的によぎる。
(↑新宿御苑)
でもそれは木枯らしのようなぴゅっと冷たい風というよりは、大抵ちょっとふわっとヌクい風。
思い出すときはなんだか一瞬だけ暖かい気持ちになる。
(どんな人の思い出も、思い出すときは美化されてるからだと思う)
(↑京都)
1時間もたてば、さっきなにか思い出したけどなんだっけ、と内容自体も思い出せない。
そして何もなかったように、前に歩き始める。
(↑京都)
秋は景色がどんどん変わってしまうから、そんな過去のことなんて思い返してたら、そのスピードに追い抜かれて冬になっちゃう。
なんか抽象的になっちゃった。
そんなこと言ってる間に師走だね。今年も悔いのないように、全力で走りぬけよう。