去年2019年、毎月旅しようハネムーンしようキャンペーン(勝手に名付けた)の一環で、11月台湾に行きました。
私が台湾を訪れるのは、3回目。家族旅行1回、トラベルブロガーの出張で1回、そして今回。
夫は初めての台湾。うちの家族が台湾の大ファンで、夫に「台湾はいいぞー台湾はいいぞー」と吹き込んだため行くことに。
現地でリモートで1週間首都の台北から働いてきました。(すっごくリモートで働きやすかったので、それはまた別で書きたい)
その際、素敵な場所をいろいろ発見したんだけれどそれは他のトラベル誌を見ていただくとして、私たちが本当に偶然入ったバーでのお話をしようと思います。
1軒くらいお酒を飲む場所にも行ってみたいよね、とGoogle Mapで検索してとても評価が高かったので、2軒目のAirbnbの近くのバーに入りました。
評価がとってもいいはずなのに、入るのにドアがなくてわからない。この壁が実はドアだった。5分くらいあたりを迷った
ここに入っていく若者たちをみて、ついていくとなんだかとても良い雰囲気。
カウンターに座って注文すると、隣の女の子が話しかけてきました。
「観光客?何してるの??」
「私は何回かきてて、夫は初めてなの」
「ハネムーン?」
「ハネムーンっちゃハネムーン。仕事しながら夜食べて過ごすハネムーンw」
そんな軽い会話をした後、私たちは他の人がみんなグループでワイワイやってることに気づく。みんなお友達なのかな?と思って聞いてみると、
「ここはLGBTQのコミュニティなの、だから他の国のLGBTQの人たちも台北に来たらこのバーによるんだよ。もちろんそうじゃない人たちも歓迎」と彼女がいった。
そして私たちは彼女や私のバックグラウンドの話、台湾という国でのLGBTQについての話になった。
彼女はエンジニアで、シンガポールでも働いたことがあるという。
「シンガポールより台北の方がLGBTQに関しては進んでるよ」
だろうな、と思う。シンガポールは、小国でより管理国家だ。管理してる姿が予想つく。
「台湾は2019年5月に同性婚も合法化されたしね」
ここでやっと私は、台湾はその年2019年5月24日に同性婚が法制化されていたことを知った。アジア初!すごい!台湾進んでる。
「でも実際はいじめもあったし、なかなか親世代にカミングアウトするのは大変だよ」「伝統的な企業や仕事では大変かも。でもそうは言っても変わってきてるんだよ。」
企業がどんな取り組みをしてるんだろう?と思って、きいてみた。
そこで聞いた話は、目を見張るものでした。
「そうだね、私を含めて若い世代はあまりTVみないからコマーシャルあんまりわからないけれど、、最近だど台湾の醤油のブランドKIMLANが、LGBTQの家族を含めたコマーシャルを始めたよ。これは、私たちの中でもかなり話題になって、みんな検索してみてた」という。
そしてその場で彼女は検索し、私に見せてくれた。
「家族にはいろんな味がある。味付けが濃い家族も、薄い家族も、特別な味付けの家族もいる」その最後の特別なのところで、女性二人(ママが二人で子供が一人)のカップルの図が映るのだ。
日本の会社のCMはどう・・?と彼女は私たちに聞きかけた後、ちょっと苦笑いした。
「いや、ないよね、きっと。日本、ルールが好きそうだし固そうだしね。旅先としては好きで一度行ったことあるけれど」
私も一応、日本企業の意地を見せようといった。
「あ、でも最近は家事をするのが男性、というコマーシャルも増えてきたんだよ」パナソニックの西島秀俊のコマーシャルを見せようとしながらそういった。
その瞬間、「え!!?それ、何十年前の話ですかw」と、彼女にケタケタと笑われてしまった。
そういえば台湾はもちろん男性が家事をするのも当たり前。
朝ごはんも作らなくても良い(外にたくさん屋台があって、そこで手軽に買ったり食べてから仕事に行く)文化が当たり前で、初めて2004年に行った時は母が驚いていた。
「ママは、女はーーしなきゃ」というのが日本よりもよっぽど薄い。そんな彼女からみたら「え、男性が家事をやってる姿をCMでみて満足?!」と驚かれてしまったのだろう。
国際女性デー、台湾は世界で8番目に男女平等 という記事も2019年に出たばかり。日本は149カ国中110位で、G7の中では圧倒的に最下位。
結構、私たちは、お隣の小さな国台湾に、引き離れてしまっていることがわかる。
また、国際的に活躍する彼女に、
「日本の会社で働いてみたいと思う?」
と聞いてみた。今までの会話であまり望みはないと思ったけれど、私が今まで出会った台湾人は基本的にみな日本に好意的な感情を抱いてくれているから。
「うーん、、、」彼女はいった。
「もし私がストレートならば働いてみたいかも。でも、レズビアンやゲイに対しては、受け入れてくれないだろうと最初から諦めちゃうところはある」。
そうだよなあ。
一応、「最近はKirinもSuntoryとかも、今までゲイカップルは家族として認めないと家賃補助を出してなかったけれど、最近は出すようになったりしてるんだよ!」などと日本企業をアピールしてみた。
でも、私の知識は付け焼き刃で、まだまだ薄かった。
参考:キリンとサントリー、同性婚を容認 多様な人材確保へ人事制度
その後なんとバーのオーナーさんも参加して4人で少し飲んだ。
オーナーさんは同い年くらいの綺麗な女性で、レズビアン集まる場があるといいなと思い、ロサンジェルスで訪れたゲイバーを参考にこの場を作ったん、と言っていた。
「もちろんLGBTQでないあなたたちみたいな人も大歓迎よ!カンパーイ!!!」
と言って、全員にショットをおごってくれたw
ショットなんて久しぶりすぎるw ノリが良い可愛いオーナーだった。
私たちは、本当に期待以上の気持ちで出た。
今回の台湾でも色々観光して色々食べて感動したけれど、これが一番心に残る夜だった。
今年の私のゆるい目標は、上記の知識をもっとつけること。現状理解できてないと、なんもできない。
そしてゆくゆくは、日本の企業のダイバーシティマーケティングやその状況を、アップデートして行けるようになること。
もちろんコミュニティのお仕事も続けます。でも、コミュニティの声を聞いたり、海外のマーケティングやSNSをウォッチして行ったりすると、もうこの流れは外せない。
現場の仕事をしつつなのでゆっくりとになるとは思いますが、乞うご期待くださいませ! (←と書いて、自分を振るい立たせております。)
また、本件ご興味ある方は是非ご連絡ください。
⬇︎ 最初は暗くてわからなかったけれど、言われてみればレインボーカラーの旗や飾りが店内にちょこちょこあった。